茶飲み話[50]
安倍内閣による長期政権が続く中で、国民を見くだすような閣僚の物言いや不祥事が相変わらず後を絶たない。加えて、南スーダンをめぐるPKOの問題や森友学園に対する国有地の格安売却疑惑と、安倍総理や総理夫人にかかわる「忖度(そんたく)の有無」など、政権にとって都合の悪い情報は、政・官一体となって隠し通すという異常な国会運営が続いている▼とりわけ閣僚の問題発言では、本年2月、金田勝利法務大臣(秋田2区)が「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改定案」に関する野党議員の質問に対し「国会提出後に議論すべきだ」と議論を封じるかのような発言をし、翌日「不適切だった」と発言を撤回・謝罪した。3月には稲田朋美防衛大臣(福井1区)が、大阪の森友学園の訴訟問題には「一切関与していない」と主張していたが、裁判所の記録が明らかになって、これまた発言を撤回し謝罪した▼4月に入って、今村雅弘復興大臣(比例・九州ブロック)は記者会見の場で、福島第1原発事故の自主避難者の帰還について問われると「どうするかは本人の自己責任」だと答え、それを追求する記者に対して怒りをあらわに「うるさい!」「二度と出てくるな」などと発言。翌日「不適切だった」と発言を撤回・謝罪した▼山本幸三地方創生担当大臣(福岡10区)は滋賀県で開かれた地方創生に関するセミナーで講演。外国からの旅行者に対する文化財の観光案内が不十分だとしたうえで「一番のガンは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目だ」などと発言し、翌日「そういう意味ではなかった」などと言い訳し、謝罪している▼不祥事の極め付きは、中川俊直経済産業大臣政務官(広島4区)。週刊誌に自身の不倫問題が報道される事態となり政務官を辞任したが、妻子ある身でありながら相手の女性ともハワイで結婚式を挙げていた。しかもことの発端は、同党の前川恵衆議院議員(比例東京ブロック)との不適切な関係が相手の女性とのトラブルに発展したことからだというから恐ろしい。世の中をなめきっているこんな大臣や政務官。発言を撤回したり謝罪したり、自民党離党で済まされるような話ではない。それこそ「こんな連中を一掃しないと駄目だ」―。(良穂)[2017/04/21]