茶飲み話[137]ウクライナと温泉

「茶飲み話」への寄稿を依頼されたが、適当な話題が思い浮かばないので、ウクライナ問題と温泉の話について書くこととする。
 ウクライナにロシア軍が国際秩序を踏みにじり一方的に軍事侵攻を開始して1カ月余りが過ぎた。この間、プーチンは、ウクライナの隷属化を目的に住宅、病院、学校等罪のない多くの民間人を殺戮している。そうした現状から逃れるため、毎日多くの人々が近隣諸国へ着の身着のまま難民となって避難している。そんな映像が毎日テレビから放映されている。こうしたロシアの軍事侵攻に対し、G7を中心に欧米諸国は、ウクライナへの様々な支援と厳しい経済制裁をロシアに科している。私どもの組織もウクライナ支援に向け微力ながら現・退一致で会員、組合員にカンパを呼び掛けている。短期間ではあるが多くの方から善意が寄せられている。一日も早く人々が殺しあう悲惨な戦争を停戦・終結させるため、日本もプーチンの脅しにひるまず欧米諸国とともに更なる経済制裁を強化すべきである。
 一方で、これを機会にロシアや北朝鮮等の脅威をことさら強調し、軍備増強論や核シェアリング論が国内で出始めている。警戒すべきである。日本は、第二次世界大戦で300万人ともいわれる犠牲者を出し、広島、長崎への核爆弾により今も苦しんでいる被爆者を抱えている国であることを忘れてはならない。
 私たちは、平和で人権が守られているからこそ、自由な行動や発言ができ、日々の暮らしを営むことができる。談話、抗議文、SNS拡散も悪くないが、連合は、もっと多くの国民と共感を分かち合うため、全国的に『戦争反対』の行動を起こすべきと思う。

 温泉好きなので、家族や、仲間と行った温泉地の話を述べることとする。
 子供が小さい頃は、家族で夏休みを利用し伊豆の北川温泉や長野の白骨温泉、群馬の草津温泉等に出かけた。北川は、部屋から相模湾や伊豆大島が一望できる絶景と波打ち際の露天風呂「黒根岩風呂」があり、雄大に広がる大海原を一人占め気分。また、近くには熱川バナナワニ園があり子供たちは大はしゃぎだった。長野の白骨温泉には、入浴剤事件の直後ぐらいに出かけたので、宿泊客も少なく本物の乳白色の温泉に心ゆくまで身体を浸し存分に温泉を楽しむことができた。またここは、乗鞍高原や上高地にも近く観光も楽しめた。草津温泉は、高温で大変強い酸性成分の温泉。熱いのでじっくり楽しむ気になれない。一日3回程度がおすすめと宿の人が言う。夕食後、湯畑から泉水通り商店街の散歩に出かけた。 この通りには土産物店などが多く並んでおり、ぶらぶらと覗き見るのも楽しかった。
 友人との温泉旅は、もっぱら東北の温泉。友人は、東北各地の温泉に行くことが多く、温泉には一家言持っていた。その友人曰く「日本秘湯を守る会」に加盟し、源泉かけ流しの白濁の温泉がおすすめと言う。その友人と行った中でも特に気に入った温泉を紹介する。まず、秋田乳頭温泉郷の鶴の湯。ここは混浴露天風呂が有名の人気の宿。少しぬるめの湯でじっくり浸れる。夕食の名物、山の芋鍋は絶品。次は、福島・新野地温泉。ここのお湯も白濁硫黄泉で内湯は木組のひなびた感じの秘湯風呂仕様。野天風呂までは少し歩くが、その間あちこちで湯けむりが上がって風情があり雰囲気が良い。食事も日本酒に合うものが多く実にうまかった。

 思い出話を述べたが、一日も早いウクライナの平和とコロナが収束すれば、まだ行ったことのない「日本秘湯を守る会」の宿もたくさんあるので、健康寿命を延ばすためにもこれからも温泉を楽しみたい。

退職者連合幹事 川辺 優(情報労連NTT労組退職者の会)