茶飲み話[92]
安倍総理は「森羅万象」という言葉がよほどお好きらしい。それともご自分を「神」だと思っているのかもしれない。そうでなければ「自分は森羅万象すべてを担当している総理大臣」などと言えるはずがない▼デジタル大辞林によれば、森羅万象とは「宇宙に存在する一切のもの。あらゆる事物・現象」とある。それを「担当している」というのだから、まさに神がかりというべきだろう▼6日の参議院予算委員会で、国民民主党の足立信也議員が「毎月勤労統計」の不正調査の報告書を読んだかと質したのに対して、「概要については秘書官から報告を受けたが、そのものは読んでいない」との答え。すかさず足立議員が「テレビの前の方はガクッときたと思う。大事なことなのに残念」と返すと、「総理大臣でございますから、森羅万象すべてを担当しておりますので、そのすべてを精読する時間はとてもない。」と宣うたのである▼たちまち「森羅万象すべてを担当しているって、神の中でも安倍晋三は最高位だと思う。つうか、麻原彰晃でもそんなおこがましいことは言わない。やばすぎる。」「言い間違いでは・・・」との指摘とともに、「森羅万象の範囲と定義が閣議決定されることがありませんように…」などTwitterで大反響が巻き起こっている▼安倍総理の森羅万象発言は今回が初めてではない。昨年2月20日の衆議院予算委員会でも、厚労省の裁量労働制ねつ造データ問題で、立憲民主党の長妻昭議員の質問に対し、「私の場合は、森羅万象すべてのことについてお応えしなければならない立場ですが、すべてについて私が詳細を把握しているわけではありません」などと述べている▼夏の参議院選挙を無事に乗り越え、11月の任期を迎えれば、戦前・戦後を通じて歴代最長の総理大臣在任記録となる。なんだかんだ言ったって、それに代わる者がいないのだから、「神がかり」になっても仕方ないよネ・・・。(良穂)[2019/2/7]