茶飲み話[47]
連合の旗や胸章などは、青地(ライトブルー)に赤(朱)のマークが一般的。この「連合マーク」をつくったのは全民労協である。民間連合の結成準備を進める中で、全民労協は「労働者の力合わせ」をイメージする図案を組合員から公募した。800点ほどの応募作品が寄せられ、日放労を通じて家紋や商標などを専門に扱うデザイナーにお願いし、事務局で審査したが、残念ながらその中に採用作品はなかった▼専門家にお願いしたのは全国の「家紋」、会社や商店の商標登録などとの類似を避けるためであった。応募作品の中から数点を抜き出し、最終的にはその専門家につくっていただいたのが、今日の「三つ揃い金輪」のマークである。地球の上で労働者が腕を組んでいる姿と、総評・同盟・総連合(中立労連と新産別による緩やかな連合組織)の3団体が、スクラムを組んでいる情景をデザイン化したものである▼マークが新聞などで公表されると、日を置かずして京都の住人から「わが家の家紋と同じ」だとクレームがついた。パソコンが発達していなかった頃のこと、写真を送っていただき、先の専門家に見ていただいた。その結果、家紋の方は完全な輪を組み合わせたものであり、「連合マーク」は三つの輪が完全な輪にはなっていない。いわゆる輪が繋がっていないのである。京都の方には、そのことを電話で丁寧に説明し了解していただいた▼また、準備の段階では旗の色について、山岸章副議長と山田精吾事務局長の間で激しいやり取りがあった。「新組織のさわやかなイメージを強調すべし」として「青」を主張する山岸氏、「労働運動の伝統を尊重したい」として「赤」に固執する山田氏が互いに譲らなかったのである。すったもんだの挙句、竪山利文議長の「日常使用の行動旗は青、大会などの公式行事に使う連合本旗は赤を基調にしてはどうか」の折衷案で決着をみることとなった。ちなみに、胸章や名刺などに使用するマークの色は特定しなかった。(良穂)[2017/03/21]