茶飲み話[31]
アベノミクスは成功なのか失敗なのか▼安倍総理が「来年4月の消費税10%への引き上げ」を再延期する方向に傾いていることに関連し、その受け止めをめぐって与野党の見解が割れている▼当然のことながら、与党の自民党と公明党は「景気は徐々に上向いてきており、アベノミクスは道半ばだが成功している」といい、民進党など野党は「実質賃金が下がって消費が低迷している。アベノミクスは失敗だ」と主張している▼自民党・公明党の主張のように、景気が徐々に上向いてきているというのは疑わしいが、「アベノミクスが成功している」というのは間違いない。もともとアベノミクスは、庶民の生活を豊かにすることをめざした政策ではなく、拡大する貧困や格差是正をめざしたものでもない。強い者をより強く、輸出大企業など儲かっている企業をさらに儲けさせるための政策である▼だから安倍総理は、「日本を企業が世界で一番活動しやすい国にする」として、聖域なき規制改革を推し進め、雇用・労働法制を緩和・改悪し、法人税の実効税率を連続して引下げるなど、産業・企業の活動に障害となるものを一つ一つ取り除いているのである▼その結果、庶民の生活、とりわけ高齢者の生活は苦しくなっても、大企業は史上最高益をあげている。まさに、アベノミクスは文句なしの大成功なのである▼ゆえに政党支持率も自民党37%で、民進党の8.2%(NHK5月)とは比較にならないほど高い。内閣支持率も50%を超えている▼社会保障制度が先細りしようが、安定した仕事に就けない若者が増え続け、結婚出来ない若者や、子供を産みたくても産めないご夫婦、終の住処さえ確保できない低所得高齢単身者がどんなに増えようが、そんなことは一向にお構いなし。アベノミクスが成功しているからこそ、安倍政権は高い支持率を得ているのである。(良穂)[2016/05/30]