茶飲み話[15]
「カジノ賭博合法化」に向けた安倍総理を頂点とする推進派議員らの動きは尋常ではない。何としても今国会で成立させようと、議員立法より審議が優先される内閣法(閣法)での法案提出を画策しているという▼都市の国際競争力を高め、国内外のヒト・モノ・カネを呼び込むためにカジノ賭博を合法化し、経済再生の起爆剤としてアベノミクスの経済成長戦略の柱にするのだという▼しかし、賭博が価値あるものを何も生み出さないことは誰もが知っている。一獲千金を夢見てギャンブル依存症になり、まともな市民生活ができなくなる、そんな人間が増えれば増えるほど儲かるビジネス▼人を不幸にすることでカネを儲ける方法は、古くから、麻薬、売春、賭博であった。それらは、常に反社会的団体と深く結び付いてきた。どんなに美辞麗句をならべたてようと、わが国でカジノが開禁されれば、表か裏かは別にして、やがてはその道のプロである暴力団など、反社会的勢力が仕切るようになるだろう▼政治家がなすべきことは民の安寧を守ることであって、テラ銭稼ぎやそのおこぼれを漁ることではない。カジノがなければ招致出来ない国際会議や観光などは本末転倒であり、麻薬・売春・賭博に頼らない経済再生、観光産業振興を図るべきである▼古来、賭博が社会にとって害のないものであったなら、日本の法律はそれを禁じてこなかったはずだ。長い歴史の教訓から悪とし罪としてきたのである。その教訓をないがしろにして「経済再生の起爆剤」とは、欲に憑かれた愚者の妄想としか言いようがない。(良穂)[2015/03/02]