茶飲み話[14]

 いつのころからか、日常の暮らしの中で労働組合の情報に接することがほとんどなくなった。春のこの時期には新聞やテレビにちょっぴり登場するが、ふだんは何をしているのかまったく分からない▼人生の多くを労働運動に関わってきた者でさえ、こんな状態だから、会社勤めの労働者、パートや派遣労働者にとっては皆無といえよう▼連合をはじめ各級組織の運動方針には、「社会的共感の得られる運動」などの記述はあっても、具体的な運動がほとんどない。運動とは身体を動かすことであり、肉体や神経に多少の無理を加え続けることである。それによって機能維持も回復も可能になるのである。▼いつ頃だったか、「あなたの職場に労働組合が効く!」という車内広告を目にしたことがある。栄養ドリンクに模したイラストで、〝効能〟には、有給休暇がとりやすくなる\職場の風通しがよくなる\残業代が払われるようになる\男女の処遇の格差がなくなる\会社で健康診断を受ける機会ができる\正社員への道が広がる\とあった▼連合の組織化キャンペーンであったが、労働運動・労働組合の体力低下を防ぐ妙薬はない。各級リーダーが内にこもらず、感性と決断をもって運動に挑戦して行くことこそ特効薬である。(良穂)[2015/02/09]