茶飲み話[13]

 今年は羊年▼「羊頭狗肉」とは、羊の頭を看板にして狗肉(犬の肉)を売ること。見かけが立派で実質がこれに伴わないこと(広辞苑)▼「通販生活」という、カタログハウス社が年に3回発行している,通販商品のカタログ雑誌をご存じだろうか?掲載されている商品も面白いが、何より関心があるのは特集記事▼ペシャワール会代表の中村哲さんが最近の日本について、巻頭言に寄稿している。勝手に引用させてもらう。▼戦争の実態を知らない指導者たちが、勇ましく吠え、心ないものが排外的な憎悪を煽る。「経済成長」が信仰まで高められ、そのためなら何でもする。武器を売り、原発を復活し、いつでも戦ができるよう準備するのだという。それが愛国的で積極的な平和だとすれば、これを「羊頭狗肉」という。アフガニスタンへの軍事介入そのものが、欧米諸国による「集団的自衛権」の行使そのものであり、惨憺たる結果をわれわれはみてきた。危機が身近に、祖国が遠くなってきた。実のない世界である▼明快な指摘に感動。読者諸兄姉の感想如何に。(羽)
註・ペシャワール会は1983年9月中村医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成された国際NGO(NPO)団体。アフガニスタンの灌漑用の井戸13本、飲料用の井戸1600本掘削。「緑の大地計画」を進めている。[2015/02/03]