茶飲み話[3]
ヒト科・人類が、霊長類の頂点の座を、他のサル目(霊長類)に明け渡す日も近いのかもしれない。もとより文化・文明に限っていうなら、まだまだチンパンジーやオラウータンの追随を許してはいない▼がしかし、近年の世相をみれば、ヒトとしての知性に欠け、弱い者へのいたわりの心をもたず、物事の判断基準の中心には常に自分しかない「ヒトらしからぬ人」がやたらに多くなったようだ▼倫理観なき経済活動に日本人の心が麻痺させられたのだと説く者もあれば、権利だけを強調しすぎた戦後教育のせいだと力説する向きもある▼いずれにしても、似て非なるものを「もどき」という。ならば、姿かたちは完ぺきに人であっても、ヒトとしての知性や心を持たないそれらは、さしづめ「ヒトもどき」とでもいうべきだろう▼もしも日本人がいま、そんな新種のサル目への分化の途を辿っているのなら、由々しき事態である。[2014/03/13]
(ふれあい情報NO147号)