茶飲み話[83]
総務省が発表した9月15日時点での65歳以上の高齢者人口は3,557万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は28.1%。女性が2,012万人(31.0%)、男性が1,545万人(25.1%)であった。100歳以上は、9月1日現在6万9,785人。うち女性が6万1,454人で88.1%、男性が8,331人で11.9%(厚労省発表)である▼人口10万人当たりで100歳以上の長寿者が多いのは、1番が島根県(97.54人)、2番鳥取県(92.11人)、3番高知県(91.28人)で、以下、鹿児島県、佐賀県などの順。最下位は埼玉県(32.19人)で、2番が愛知県(35.01人)、3番千葉県(37.83人)、以下、大阪府、神奈川県などとなっている▼長寿は人類永遠の願望だといえよう。日本人の生活水準が向上し、年金・医療・介護などの社会保障制度が行き渡り、それが実現していることは喜ばしいことである。しかし、手放しで喜んでばかりはいられないようだ。社会保障制度の広がりとともに高齢化が進んで、今度はそれら各種制度の給付と負担のバランスが崩れ、制度そのものの存続が危ぶまれているからである▼社会保障制度を安定的に維持するには、良質な雇用が重要であることは衆目の一致するところである。しかし、歴代自民党政権は経済最優先の政策のためにそれとは正反対の施策をとり続けてきた。その結果、貧富の格差が拡大し、結婚したくてもできない若者、子供を産み育てることができないご夫婦、終の棲家さえ確保できない高齢者が激増している。そのことが、日本を「超高齢化社会」といういびつな形にしてしまったといっても過言ではない▼首相官邸のホームページに「人生100年時代構想」という欄がある。そこには「子供たちの誰もが経済事情に関わらず、夢に向かって頑張ることができる社会。いくつになっても学び直しができ、新しいことにチャレンジできる社会。人生100年時代を見据え、経済社会の在り方を構想しています」とある。どこか空々しさを感じるのは筆者一人ではあるまい。(良穂)[2018/9/17]