茶飲み話[141]『核兵器廃絶と世界の紛争終結のために』19日行動
2014年7月1日、安倍内閣は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。長年の政府の憲法解釈を変更し、我が国と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合、日本が直接武力攻撃を受けず、そのおそれがないにもかかわらず、他国のために武力を行使できるとしたのです。
これに抗して、2015年2月、「戦争をさせない1000人委員会」(発起人:大江健三郎・落合恵子・佐高 信・瀬戸内寂聴・田中優子・山口二郎ほか/事務局:平和フォーラム(連合会館))、「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」(事務局:憲法会議)、「憲法共同センター」の3者によって、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」が発足しました。安倍内閣が集団的自衛権を実働化させるために国会に上程した「安全保障法制」は、憲法9条を空文化し違憲であるとして、反対の世論が広がり、8月30日には国会周辺で12万人、全国で1000カ所以上の抗議行動が展開されました。
しかし、同年9月19日に参議院本会議で安保法制の可決成立が強行され、集団的自衛権の行使容認にとどまらず、住民保護における武器使用、他国の戦闘行為に対する後方支援、武器等防護などの規定に対して、日弁連や多くの団体が違憲性を指摘して廃止を求める声明を発出しました。また、全国各地で安保法制違憲訴訟が起こされました。
「総がかり行動」は、毎月19日に国会前で抗議集会を続け、すでに100回を超えています。暑い日も寒い日も、平日の場合は18時30分から約1時間、議員会館前で500~1000人が集結して抗議の声を上げ、政党代表や各地の活動報告が行われています。自治労や日教組をはじめとする官公労や民間の労組や市民団体、宗教団体も参加し、退職者連合の顔見知りにも会うことができます。
2022年12月の岸田内閣による安保3文書の閣議決定で、政府は敵基地攻撃能力の保有や武器輸出にも踏み出してしまいましたが、今年の夏であれから10年になります。
戦後80年ですが、退職者連合の一員として、日本国憲法の恒久平和の理念と「戦争放棄・交戦権の否認」を掲げ、核兵器廃絶と世界の紛争終結を求めていきたいと思います。
退職者連合副事務局長 岩崎長久(日退教)