茶飲み話[128]コロナから新たな日本へ

 世界的な「新型コロナ感染」が猛威をふるい始めて早1年を超え、今後の見通しすらまったく予測できない状況が続いている。
この度の「感染症による未曽有の危機」に対し、国や地方自治体の体制、医療施設・医療関係従事者や保健所体制の不備等々、日本の危機管理体制に様々な決定的欠陥が存在していることが明らかになっている。
 阪神・淡路や東日本大震災、この間の自然災害危機とは全く質的に違う事態だけに、進行中の深刻な事態に国を挙げて鎮静化への努力をさらに続けていくことが重要である。東京高退連(関東1都7県の組織もほぼ同様)も「感染に弱い高齢者の組織」であることから、昨年の3月以来10月の総会(書面開催)前の三役・幹事会の対面開催以外、全ての会議・予定活動を休止し今日に至っており、私自身、50年近い運動歴の中での初めての経験だけに日々忸怩たる思いでいっぱいである。そのうえで、この間の私たちに運動にかかる政治的動きなどについて、いくつか触れてみたいと思う。
 まずは2012年から続いた史上最悪の安倍政権が、病気による自滅という形で2020年8月28日に総理辞意表明に至ったことである。安倍政権は、論評することすら憚れるほどの「憲政史上類例のない民主政治とは程遠い政治の劣化」「あからさまな忖度政治」を展開、モリ・加計、サクラ、黒川・河井問題など、国会を開けば常に「疑惑追及に時間を費やす」ことが続けられてきた。そして、驚くことに、その悪政の「根っこ」であった菅義偉元官房長官が、第99代内閣総理大臣に就任した。菅政権は安倍内閣と同根政権であり、現に菅総理の息子が絡む東北新社がらみの総務省通信行政接待・増収賄?疑惑などが進行中、内閣支持率も低空飛行を続けている。
 いずれにせよ、今後、新型コロナ・変異種やワクチン接種の行方、森五輪組織委員長辞任、佐々木式典統括責任者の辞任などの不祥事続きの東京五輪の有無、米バイデン政権と中国の関係(日本への影響)など問題は山積しているが、7月の東京都議会選挙、総選挙(補欠選挙など含む)は必ず実施される。この原稿執筆中に、連合、連合関東ブロック、立憲民主党などが支援する千葉県知事(熊谷俊人氏)・千葉市長選挙(神谷俊一氏)の大勝利(三倍・二倍の得票)が報道された。残念ながら世論調査では、野党の支持率の伸び悩みが報道されているが、野党各党の努力で、総ぐるみの闘争体制を確立し「新たな日本の夜明け」を皆さんと共に実現したいものである。

関東ブロック幹事 遠藤 幸男 (東京高退連会長)