茶飲み話[102]

 「類を以て集まる」という。「牛は牛連れ、馬は馬連れ」ともいう。気の合った同士や似た者同士が自然と集まることをいうが、あまり良い例として使われることは少ないようだ。先の参議院選挙で当選した「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表と、元行政改革担当大臣で無所属の渡辺喜美参議院議員が新会派「みんなの党」の立ち上げを発表した▼渡辺氏は栃木3区から連続6回も当選している自民党のベテラン議員だったが、麻生内閣との確執などから自民党を離党。2009年8月、民主党(当時)を離党した浅尾慶一郎衆議院議員や無所属の江田憲司衆議院議員らとともに「みんなの党」を立ち上げた▼しかし2014年に、自身の8億円もの借り入れ金に絡む使途不明疑惑が明るみに出て「みんなの党」を解散、12月の衆議院選挙には無所属で立候補し落選した。3年前の参議院選挙で「おおさか維新の会」公認で比例当選して以来、ほとんど忘れられた存在だったが、今回の選挙結果で図らずもの再登場となった▼「みんなの党」には、「戦争容認発言」などで維新の会を除名され、衆議院で糾弾決議を受けてもなお居座り続けている丸山穂高議員も入党するという。ほかにも石崎徹、細野豪志、柚木道義、松原仁、笠浩史、青山雅幸、中山成彬の各衆議院議員や、平山佐知子参議院議員など、良きにつけ悪しきにつけ何かと話題になっている御仁の入党が取りざたされている▼渡辺氏は、「立花さんから『会派を作りませんか』というお話をいただいて、『やり残したことがたくさんあるのでみんなの党を復活させたい』と申し上げたところ、快く受け止めていただいた。政党ではなく党員拘束はないので、それぞれの立場で意見を言い、議案に対しては独自の態度・決定を行っていく」とコメント(産経新聞)している。同床異夢の議員集団で一体何をしようというのか。それぞれの欲と得とが絡んだ「牛は牛連れ、馬は馬連れ」でなければいいのだが・・・。(良穂)[2019/8/1]