茶飲み話[77]

 日本では無許可の栽培や所持などが法律で禁止されている大麻草が、参議院議員会館の敷地内で見つかったという。6月21日の昼、議員会館の訪問者が雑草に交じって生えている大麻草4本を発見した。参議院議員会館の土地を管理する事務局担当者は、「このあたりで大麻草が発見されたのは初めてで、今後は議員に周知して敷地内に自生していないか確認したい」としている▼大麻(麻)の繊維は、日本では古くからしめ縄、神事のお祓いの大麻(おおぬさ)などに用いられ、種子などは嗜好品や医薬品などとしても使われてきた。大麻の葉を乾燥または液体化させたものがマリファナ、花から製造したものをガンジャ、樹脂をハシシなどといわれているが、それらが人間の精神等に害毒を起こすとして国際法上、流通や使用が制限されてきた▼日本では大麻取締法により、大麻草の花や葉の許可のない所持、輸入は医療目的であっても禁止されている。いったん大麻を使うと他のドラッグをも使用するようになり、他の薬物への入り口となる危険性があるからだという。以前は、七味唐辛子にも麻の実が入っていて、それを拾い集めて食べるのが楽しいという人もいたものだ▼大麻のせいではないと思うが、このところ政府の上級幹部や閣僚、自民党の大物議員のセクハラや品性のかけらも感じられないヤジや発言が後を絶たない。つい先ごろも自民党の二階幹事長が講演で、「このごろ子どもを産まない方が幸せなのではないかと勝手に考えている人がいる」[皆が幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も発展する方向に向かうよう頑張ろう」とのたもうた。去年の11月には山東昭子参議院副議長が役員会で「子どもを4人以上産んだ女性を、厚生労働省が表彰することを検討してはどうか」と発言している▼いずれも庶民の生活実感からはかけ離れていて、雇用が不安定で結婚したくてもできない若者、子どもを産み育てたくてもそれができないご夫婦を激増させている原因の多くが、自民党の政策の欠陥にあることに気付いていないのだ。それにつけても、参議院会館の大麻種子が一体どこから来たものなのか、興味津津(きょうみしんしん)である。(良穂)[2018/6/27]