茶飲み話[72]
♪これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛~、女優であり歌手でもある松坂慶子さんの「愛の水中花」の歌い出しである。安倍首相と官邸、関係省庁がひた隠しにしていた疑惑・疑問が、一斉に噴き出してきた。森友学園への国有地の異常な値引き売却に絡む財務省の呆れた舞台裏であり、防衛省のイラクやスーダンへの自衛隊派遣部隊の日報隠蔽であり、安倍首相の「腹心の友」が経営する加計学園の獣医学部新設にかかる「首相案件」問題などなどである▼野党議員の厳しい追及に、これら疑惑・疑問の舞台に立つ安倍首相もその他の役者も、みんな「知らぬ、存ぜぬ」で押し通そうと躍起である。そんなやり取りを見ていると「愛の水中花」の歌い出しを換骨奪胎(かんこつだったい)し、♪これも嘘 あれも嘘 たぶん嘘 きっと嘘~と、口ずさみたくなる▼そういえば、このところテレビ画面に見る安倍首相の鼻が、どんどん伸びているような気がしてならない。まさかイタリヤの児童文学作品「ピノキオの冒険」のピノキオのように、嘘をつくたびに鼻が伸びる、そんなことではないと思うのだが・・・▼これら疑惑・疑問については徹底的な真相解明が必要だ。しかし始末が悪いのは、森友学園問題も、加計学園の獣医学部新設も、自衛隊の海外派遣部隊の銃器使用による駆けつけ警護も、既成事実が先行してしまっていることである。そのあたりに、国会審議の間は不利な情報は徹底的に隠し通し、既成事実をつくってしまえば「あとは何とでもなる」という安倍政権の姑息な手法が透けて見えてくる▼そんな折も折、財務省事務次官のセクハラ疑惑や、厚生労働省健康局長の部下職員に対する不適切メールなど、芸能雑誌記者が喜びそうな、”下ネタまがい”の問題まで飛び出してきた。「愛の水中花」は歌いだしのあとに、♪だって淋しいものよ 泣けないなんて そっと涙でほほを 濡らしてみたいわ 一人ぼっちの部屋の ベッドの上で~と続いている。野党の追及で国会運営はままならず、内閣支持率が目に見えて下がっていく中で、今は安倍首相もそんな気持ちでいるのかも・・・。(良穂)[2018/04/13]