茶飲み話[9]

 自民・維新・生活の党など超党派の議員連盟による「統合型リゾート(IR)推進法案」が、今臨時国会の焦点の一つになっている▼一般にはわかりにくい糖衣錠にしているが、実態は「カジノ賭博合法化法案」であり、臨時国会では骨格だけを成立させ、詳細な制度設計は政府に任せ、1年以内に法整備を図るという▼安倍総理はこれを「経済対策の目玉」と位置付け喧伝している。しかし厚労省研究班の推計によれば、パチンコなどを含めたギャンブル依存症の疑いのある人は全国で536万人にも上り、成人男性では8・7%を占めている。▼カジノ解禁となれば、さらに依存症に陥る人が増え、多重債務や家庭崩壊、資金欲しさに犯罪に走ったりするケースも増えるだろう。闇支配が横行することも懸念されるし、青少年の健全育成にも悪影響を及ぼす▼何とも「筋の悪い経済対策」である。比較的時間を持て余し気味の高齢者が乏しい年金を巻き上げられ、地獄の苦しみに落ち込むようなカジノ解禁など絶対に許してはなるまい。[2014/10/21]