茶飲み話[97]
今度は「復興より議員が大事」発言で、桜田義孝復興対策担当兼東京オリンピック担当大臣が辞任した。塚田国交副大臣に続いての連鎖辞任である。これまでにも、あれやこれやの失言などで大臣としての資質が問われていた桜田氏。「ついにやっちゃったか」というのが率直な感想である▼事の発端は10日午後7時前、東京都内で行われていた岩手県選出で自民党の高橋比奈子衆議院議員のパーティーである。桜田氏は「東日本大震災ということで、東日本は岩手も入っているので、世界中の人が行くと思うので、おもてなしの力を持って、復興を協力していただければありがたい」と発言。続けて「復興以上に大事なのは高橋さんでございますので―」とやっちゃった▼報道記者から「どういう意味か」と問われると「そんなことは言っていない」と否定したものの、批判の声は自民党議員からも噴出。そこで桜田氏は、ただちに安倍総理に面会し、「迷惑をかけたこと」を謝罪するとともに、辞表を提出したという▼辞表を受理した安倍総理は、5日には「忖度発言」で塚田国交副大臣が辞任したばかりである。後段の統一地方選挙や大阪と沖縄の衆院選補選、夏の参議院選挙などへの影響を懸念し、問題が拡大する前の早期幕引きを決めたのだろう。即座に辞任を了承した▼いささか旧聞に属するが、時事通信が昨年12月に実施した世論調査で、第4次安倍改造内閣のうち閣僚としてふさわしくない人物を複数回答でたずねている。全国の18歳以上の男女2000人を対象に、個別面接方式で、有効回答率は60.7%であった▼それによれば、自民党支持層でも片山さつき地方創生担当大臣が43.7%でトップ、次が麻生副総理兼財務大臣の30.1%、桜田氏は29.4%で3位だった。失言やあやふや答弁で「笑い者」になっていた桜田氏。その後の猛烈な追い上げで一発逆転、心ならずもついにトップに躍り出てしまった。それにつけても安倍政権、内部から腐っているのは確かなようだ。(良穂)[2019/4/11]