ふるさとの山「尾鈴山(おすずやま)」に50年以上のぼり続け、魅力発信と登山客の安全確保に力を注ぐ

宮崎県退職者連合
黒木詔文さん

《ふるさとの 尾鈴の山の かなしさよ 秋もかすみの たなびきて居り》

歌人 若山牧水が少年の頃から親しんだ故郷の山を愛おしんだ名句、この尾鈴山の守り人の黒木詔文さん(自治退宮崎県本部都農町役場退職者会・前会長)に、尾鈴山への思いを語っていただいた。

黒木詔文さん

豊かな春の新緑、涼感を誘う夏の滝、秋の紅葉、冬の雪化粧。美しい自然に魅了され、27歳で尾鈴山の登山を始めた黒木さん。若い頃から毎週のように出向き、山を愛する仲間と環境保護に尽力。周回コースを作って魅力を発信するなどしてきた。今でも月1回以上のぺースで足を運ぶ。
登り続けるのは単に「好き」だからではない。「危険をはらむのが山登り。決して侮ってはならず、できる限り事故をなくしたい。」との思いも強い。山開きや滝巡りなどのイベント前には必ず山に入り、倒木や落石を調べたり、迷わないよう目印のリボンを木に付けたりと毎回5時間以上かけて準備。当日も随行し、安全確保を徹底する。

(2019年11月14日の宮崎日日新聞記事より抜粋)

尾鈴山は、山と滝とくだものの町・宮崎県都農(つの)町のキャッチ・ワードの山です。

宮崎県の中央部に位置し海岸線より約15Kmと極めて近く、標高1,405.2mの独立蜂で宮崎市、日向市、西都市、高鍋町などから美しい尾鈴の山塊を見る事ができます。

尾鈴山の形成は1500万年前といわれ、地質は溶結凝灰岩、花崗岩等で瀧を作る谷が奥深く分け入り、尾鈴山瀑布群を形成しています。

山の頂上には一等三角点があり、県内には4箇所ある一等三角点の一つです。(一等三角点とは東京から三角測量を行い日本全土の地図を作成する目的で一等〜四等まで設置されました)

昭和19年3月、30以上ある滝が尾鈴山瀑布群として天然記念物(国の名勝瀑布群)として指定を受けました。昭和33年には尾鈴山系が県立尾鈴山自然公園になりました。

また、平成2年4月()(とぎ)(たき)が「日本の滝100選」に選ばれました。

尾鈴山は県央部に位置し南北に分ける地形となり南限植物等多く、植物学的には大変貴重な山でもあります。地球上で尾鈴山系のみの固有種キバナノツキヌキホトトギスが自生し、襲速紀(九州、四国、紀伊とつながる地形)植物として生息する貴重な山でもあります。

1年を通して県内外からの登山者も多く、国道10号線より短時間で登山口に到着する身近な山でもあります。

花(貴重な植物)あり、滝(滝100選)あり、谷(渓谷)あり、そしてキャンブ場あり自然と共存している山です。

毎年4月29日には尾鈴山の山開きがありアケボノツツジ、ツクシシャクナゲの共演が見られます。感動ものです。

7月には滝巡りと称して欅谷方面への九州自然遊歩道を進み、大小8ケ所の滝を巡り、涼を求めて歩きます。

尾鈴山では毎年数回のイベントを開催、30数年たちますが、毎回案内ガイドとして参加しています。

また、不幸にも尾鈴山系でも過去、自衛隊機墜落事故が発生していますが、昭和48年4月I1日に発生した新田原救難隊の救難捜索機の訓練中に起きた事故(救難捜索機が墜落、塔乗員4名が死亡)の慰霊登山も50数年毎年遺族、元隊員、現隊員の慰霊登山の支援案内ガイドをしています。

宮崎県の野生動植物保護監視員の委嘱を受けており、年数回、監視、指導、調査等で山に入ります。

国の天然記念物であるカモシカ保護対策として生息状況、生息環境の変化を把握する為の文化庁の通常調査員を受け活動しています。

道なき山に入るため必然的に毎日の鍛錬が欠かせず、家近くの都農ワイナリー丘への200段(階段)登りが、基礎体力作りになっています。

尾鈴山に登り続けて60年近くになりますが、まだまだ頑張る気でいます。