世のため、人のため、やがては自分のため。銭太鼓で地域と触れ合う

<今回のお達者さん>
小林須磨子さん(79歳)
(NTT労退山口県支部協議会)

同好会解散を乗り越え

銭太鼓の実演をする小林さん

銭太鼓の実演をする小林さん

銭太鼓とは、島根県出雲地方に古くから伝わるリズム楽器で、「銭の鳴る音」を利用して、「安来節(やすぎぶし)」を踊る際、伴奏に使用したり、または演じることを指します。
1987年1月、職場で銭太鼓同好会(会員18人)を結成。勤務時間外に、運用の宿直室で、部外の先生2人にお願いをして、三味線に合わせ安来節の稽古が始まりました。 同好会では、町内の老人芸能大会などイベントへの出演、また、日米ロータリークラブグループ交歓研修で来日した米国視察団に、日本芸能として銭太鼓を披露しました。
1988年、業務集約により、1年11ヵ月で同好会の存続が困難となり解散。少数の有志が集まり、稽古を続行しました。
その後、銭太鼓に加え、大正琴のグループも発足し、練習日も月2~3日と定着しました。当初は、安来節一曲でしたが、今は、昔ながらの親しみやすい曲、民謡、童謡、演歌とレパートリーを広げ、支部協総会をはじめ、老人施設での夏祭り、クリスマス会、誕生会など、年間約15回の慰問を行なっています。

退職後、地域とともに

1996年の退職後に、地域との触れ合いを大事にするため、公民館を中心に銭太鼓教室をはじめました。
地元以外からの依頼もあり、活動の輪がどんどん広がっています。山口市社会福祉協議会からの依頼で、年2回初心者の指導にあたっています。
老人施設の慰問の際は、ラップの芯で作った軽量の銭太鼓をたくさん持参し、皆さんにも一緒に、歌って振って楽しんでもらっています。
帰りには、一人ひとりと握手。「ありがとう、楽しかった」「また来てね、今度はいつ来るかねー」と手を差し出され、私たちが元気をもらいます。

山口市佐山の「ふるさと祭り」に参加(前列右端が小林さん。2016.11.6)

山口市佐山の「ふるさと祭り」に参加(前列右端が小林さん。2016.11.6)

女房元気で留守が良い

メンバーも高齢化しており、無理はできませんが、常に「世のため、人のため、やがては自分のため」を合言葉に、お年寄りとの触れ合い、町の福祉活動のお手伝いとして体をいたわりながら頑張っていこうと思います。
俗に、「亭主元気で留守が良い」と言いますが、わが家では「女房元気で留守が良い」となっています。夫いわく、「女房は車で徘徊(はいかい)、朝出たら暗くならんと帰りません」。電話がかかってきた時の夫の応答です。

介護施設を訪問。(左から3人目が小林さん。2014.8.23)

介護施設を訪問。(左から3人目が小林さん。2014.8.23)

(NTT労組退職者の会「ひろがりネット」より)

(編集部より)
ご紹介している写真の皆さん方は、全員NTT労組の退職者の会会員です。毎週、皆で集まり練習を行なっているそうです。