日退教 東アジア海外研修旅行「成都・重慶の旅」に参加して
日本退職教職員協議会
神奈川高退教 樋浦 敬子

コロナの猛威が開けた2025年10月、海外研修旅行が実施されました。
前回の南京の旅に続いて「無謀な日中全面・重慶空襲85年へ」がテーマでした。重慶は、坂と階段の街、少々心配ではありましたが、添乗員さんを頼りに頑張れました。
最初に訪問した成都では、「観光」が主題。「成都パンダ繁育研修基地」へ向かいました。広大な自然の中で希少動物パンダの「繁育研修」が行われていました。人混みがすごく、アップダウンの続く見学通路でしたが、現地ガイドの配慮ある誘導でパンダとも無事会え、「四川に行くならやはりパンダ様」(ガイドの張さん、が揶揄を込めてか繰り返していました)だよねと、満足。外交のカードにまでなっているパンダを預かる「基地」の皆さんへの重圧、大変さもよくわかりました。
翌日は、重慶まで高速鉄道で移動。重慶の、現地ガイドは、1977年生まれの若い男性で、生まれたころは、「一人っ子政策」のさなか、どうしてももう一人子どもが欲しかった両親は「罰金」を払って二人目を産んだそうです。現在の自分は、これからお金がかかることも考えると、一人っ子で十分だとのこと。中国も少子化は深刻になりそうです。
午後は「大隧道惨案旧跡記念館」。2006年に日本政府を提訴した「重慶大爆撃訴訟」の原告団や関係者の皆さんと一つのテーブルを囲んで、お二人の被害者から空爆の実態と戦後は戦争孤児として過ごしたつらい日々のお話を聞かせていただきました。お二人とも90歳を超えた方でした。後で聞くと、家からのこの会場まで2時間半かかってきてくださった方もおられたそうで、証言をしていただく時間が短く、日本政府を提訴した裁判のことまで詳しくはお聞きする時間がなく申し訳なく思いました。
続いて三峡ダム博物館の中にある抗日戦争記念館を見学し、記録映画を視聴。大画面で戦隊を組んで襲撃する日本軍の絨毯爆撃の凄さを実感することができました。その後、近辺を散策しましたが、ここは銀座か渋谷かと思うくらいブランドショップがずらり並ぶ光景に、思わずガイドさんに「これが社会主義国の光景なのでしょうか」とお聞きしたら、改革・開放政策以降の中国は、社会主義国とは言えないのではないかと答えられました。
旅行の最終日は、四川外国語大学日本語学院の大学院生との交流が行われました。大学側の丁寧な、配慮の行届いた準備で、大変有益な交流を持つことができました。どの学生も大変流暢な日本語を話し、それが留学体験はなく大学での指導で身につけたと聞き、感動しました。そして、どの学生さんも日本語、日本文化、研究テーマへの真摯な態度が大変印象的でした。
交流会の冒頭、副学長から、日本語学院の基礎を築いた2人の日本人が紹介されました。その一人が、神奈川県立高校で教鞭を執った先輩で、知り合いの父上とも親しい方でした。一衣帯水の日中の絆を、強く感じました。
