<今回のお達者さん>
栃木県退職者連合
小川 勝 (73歳)
(農水退)

那須五葉松とともに

小川 勝さん

小川 勝さん

 五葉松とは、名のとおり針形の葉が5本ずつ束になっています。ちなみに赤松、黒松は2本です。五葉松は庭木としても見かけますが、盆栽の樹種としては最も愛好家が多いと言って過言ではありません。
 五葉松が普及している理由としては、暑さ・寒さ・乾燥などの環境に耐える性質が強いからです。しかし、盆栽は枯らさなければ良いというものではなく、理想の盆栽づくりは生涯が研究です。
 私たちは30年前に栃木県那須五葉松保存会を設立し、林野庁、環境省、那須町の指示や許可を得る中で様々な活動を行ってきました。

20年続けた梵天岩五葉松の保護活動

 1998年、那須五葉松の自生地での調査を実施していた中で、那須岳姥ケ平の梵天岩に見事な景観を成している五葉松が目に留まりました。その五葉松は、根が剥き出しになり、枯死が懸念されていました。(同場所1本は既に枯死していた。)
 保存会は、枯死させない活動として、梵天岩周辺の腐葉土を五葉松の根もと詰める作業を20年間続けてきました。その年の新枝の伸びに変化が見られたのは開始後3年目からでした。そして今は五葉松が樹勢を回復するとともに、梵天岩全体が草木に覆われる状態に回復しています。

特性を生かした盆栽

 盆栽としての那須五葉松の特性は、葉性(太く、短く、まっすぐが好まれる)の優れたものが多いことです。反面、那須五葉松は古さが出るのに年数がかかります。保存会では、許可を得て最小限の種子採取を行い、実生培養を実施しています。最も古いものは今年で30年になりますが、会員の盆栽棚にはたくさんの実生苗があります。

那須岳を背に見事な景観を成して那須岳姥ケ平の梵天岩に凛として立つ五葉松。

那須岳を背に見事な景観を成して那須岳姥ケ平の梵天岩に凛として立つ五葉松。

 私は、愛好家が高齢化する中で、五葉松盆栽を1年でも早く楽しめるようにするには、小さなものを作ることが近道かと考えています。それでも、10年は要しないと将来が見えてくる状態になりません。
 今後も健康に留意し、那須岳の自然から学び、五葉松人生を送りたいものです。

(報告者)
栃木県退職者連合
会長 三浦健治

 今号は、栃木県退連幹事の小川勝さんに、寄稿して頂きました。栃木県那須五葉松保存会は今年で設立30周年を迎え、現在会員46名。小川さんは4代目の会長です。
 その方面の知識は皆無ですが、見るのは好きで時々展示会など見る程度の素人の目から見ても、数ある盆栽の中で松は風格を備えた“盆栽”を代表する植物の一つだと思います。単なる盆栽愛好に終わらず、保護し、保存活動を続ける姿に五葉松への愛情が伺われます。
(栃木県退職者連合会報NO65号・2017年10月5日発行より転載)