花嫁街道との付き合いは35年前、荒れた道を「歩きやすく」と思い立つ

相川好夫さん

相川好夫さん

 私の住む南房総市和田町は、房総半島の南端にあり、花と海と「捕鯨基地」のある自然がいっぱいの所です。私はJRを退職してから1ヶ月に10日程度、南房総市企画課の非常勤職員としてJR和田浦駅で発券業務や観光案内と駅の花壇の手入れをしながら働き、休みの日は家で農業をしています。
 和田浦には、ハイカーには割りと知られた「花嫁街道」という15.5㎞の距離を約5時間で歩けるハイキングコースがあります。コースは、和田浦駅~花嫁街道~烏場山(標高266.6m・新日本百名山)です。
 私は、この花嫁街道のガイドをボランティアでやっています。私と花嫁街道との付き合いは、35年前にさかのぼります。当時荒れ放題だった花嫁街道を地元の仲間たちと間伐材や風倒木などを使って歩きやすいように整備しようと思ったのが始まりです。ちょうどその頃、勤務していた千葉車掌区から千葉車掌区安房鴨川支区に転勤になり、通勤時間が2時間30分から20分に短縮になり、時間に余裕が出来たのも幸いでした。

荒れ果てた道を切り拓き、「花婿コース」もつくる

間伐材や風倒木をチェンソーで切る相川さん

間伐材や風倒木をチェンソーで切る相川さん

 仲間達と非番や休みの時間を使って、一生懸命街道を整備しました。 鴨川市との境界の尾根にコースを作ろうと地番を調べ、荒れ果てた道を切り拓き、1年かけて花婿コースも開拓しました。コースは、黒滝~和田浦駅です。
 花嫁街道、花婿コースともハイカーの行き違いができるように、道幅は1.2mとし、階段は歩きやすいように実際に歩きながら一段一段作りました。また材料は自然環境を考えて間伐材や風倒木を利用し、太い木はチェンソーで切り、それを割ってベンチを作りました。またそのベンチは、和田浦駅にも設置しました。コースのところどころでは、木を切り開いて海や房総の山々が見えるようにしました。道標は、自然にマッチして見やすいように板をバーナーで焼き、文字はノミや彫刻刀でほって白いペンキを入れ、ハイカーが不安に思うような所に、約300m間隔に立てました。

JR東日本が「駅からハイキング」第一号に認定

 このハイキングコースは、房総環状線開通60周年記念として両国駅より臨時列車を快速電車として運転したのが始まりです。現在、JR東日本で行われている人気の「駅からハイキング」の第一号として認められ、鰯のつみれ汁、鯨の竜田揚げをサービスして大変喜ばれました。
 現在ハイカーは大変多いのですが、マイカーや観光バスで来られる人が増え、電車の利用者は減ってきています。JRのOBとしては一人でも多くの人に電車を利用して来てもらおうと、和田浦駅の花壇に菜の花を植えて、少しづつ手入れをしています。

一日駅長を勤める相川さん

一日駅長を勤める相川さん

手作りの街道沿いの道標

手作りの街道沿いの道標

和田浦駅に集まった観光客

和田浦駅に集まった観光客

仲間たちと「もっと良いコースに」整備したい

 ハイキングコースは、ハイカーが多くて道が傷み、時には壊れますが、これは好きな事をしている私達にとっては苦にならず、「歩きやすい」「良く整備されていますネ」「今度は家族と来るよ」等々の言葉を聞くと嬉しくなり、この言葉を励みにして、さらにより良いコースにしようと有志の仲間達と共に整備しています。
 なお、花嫁街道ハイキングコースマップは、和田浦駅にあります。一度皆さんも歩いてみてください、お待ちしております。

お問い合せは・・・・和田地域づくり協議会「WAO!」
電話 0470-47-3427

<花嫁街道の由来>

山間集落の上三原部落と海辺の集落を結ぶ交通の道で、古くは塩汲みの道から生活物資の往来、学校への通学路として利用されていた。かっては花嫁行列もここを通って行った。近年はハイキングコースとして整備され、花嫁街道と呼ばれるようになった。昔とは多少、道すじは変わっているが、歴史は古く、今でも経文石、じがい水猿渡り、馬井戸、駒返し等の地名が残っている。

<報告者>
JR総連OB連絡会・東労組OB会
相川 好夫