都内の名所・旧跡ボランティアガイドとしての10年間 ~達成感とガイドの醍醐味~
JAMシニアクラブ事務局長
大野 弘二

東京都のボランテイアガイドを始めてちょうど10年になります。
平成25年(2013年)にJAMの役員を退任するとともに、36年間にわたる労組専従の生活にピリオドを打ちました。さて、何をやろうか? 趣味と言えば、読書にカラオケ、酒を飲むこと...もう一つ街歩きがありました。
とりあえず、健康増進を兼ねて街歩きを極めようと思い立ち、街道歩きを始めました。2013年~2014年にかけて、旧東海道にチャレンジ、平日はJAM関連団体の仕事をしていたので、土日を使い20日間かけて、東京日本橋から京都三条大橋まで完歩しました。その後、日光街道、水戸街道を制覇しました。
話し相手のいないひとり歩きに飽きたころ、友人からNPO法人「東京シティガイド検定」の受験をすすめられました。都内の観光地や名所旧跡を案内するガイドの資格を得る検定です。合格率は70%ということで、短時間の試験勉強で簡単に合格出来ました。しかし、検定に合格するだけではガイド資格を得ることは出来なかったのです。合格後、厳しい研修プログラムが用意されており、すべてを受講し、最後に「終了試験」をクリアすることでやっとガイドの資格を得ることができました。
初ガイドは、2016年の5月、某旅行会社が主催する「山の手線一周ツアー」でした。東京駅から田町駅まで、14人のお客様に歴史的名所や観光スポットを丸一日かけて案内しました。案内が終わったあとの疲れと安堵感で、一人打ち上げで飲んだ生ビールのうまかったこと。
以来、関連団体やJAMシニアクラブの仕事の合間を縫って、2020年の2月まで平均して月1回のペースでガイドをしてきました。
「わかりやすくて楽しかった」「ガイドさんのお話が面白かった」お客様のそんな感想を聞くと、疲れも吹き飛び、ジワジワと達成感が沸き上がります。これがガイドの醍醐味です。
春と秋は修学旅行シーズン、小学生から高校生まで、10数回にわたり、皇居東御苑、明治神宮、国立競技場、浅草寺、スカイツリー、東京タワー、原宿竹下通り、いろいろな場所を案内しました。小学生はまだまだ無邪気で可愛げがある、高校生はそれなりに大人の常識をわきまえてます。中学生が一番やっかいでした。(笑)
コロナ以降、体力的な衰えや1回のガイドに4~5回は下見をしなければならないこともあり、ガイドを引き受ける件数を減らしました。
今は外部のお客様向けでなく、内部の会員同士の研修会のガイドを中心に活動しています。またJAMシニアの地方組織のイベントでガイドをすることもあります。
職歴も学歴も関係なく「歴史好き」の一点で集まっているガイド仲間と街を歩き、終わると見学先や歴史的事象を話題にしながら、楽しい飲み会。
退職後に、こんな楽しい人間関係が築けるとは思ってもみませんでした。
歩くのが大好きで、歴史に興味があり、そして労組活動で鍛えられた人前で話すことが苦にならないことが、私がボランティアガイドの活動になじむことが出来た三要素です。これからも、身体の動く限り、みんなに喜んでもらえるガイドを続けていきたいと思います。

