古切手もきれいに蘇える
(今回のお達者さん)
JR連合 JR西日本グループ労組連絡会
文字 学(もんじ まなぶ)さん
子供のころから切手収集が趣味で中でも消印に記された「局名」集めに熱中し、「キロボックス」(1箱に 7.5 キログラムの使用済み切手、約5万枚が入っている。販売価格は当時12,000 円)を買い求めた。「局名」集めにのめりこみ、ふと気が付けば夥しい数の古切手が部屋中を占拠していた。
集めた切手で何かできないだろうか、思い悩み「切手で絵が描けるのではないか」。試行錯誤の末、2年半程でようやく満足できる作品(2004年4月)が完成した。
制作には購入した「キロボックス」の仕分けが第一で、水に浸し、1枚1枚剥がして乾燥させて似かよった図柄・色合いごとに分類する。1箱5万枚もあるので1週間から10日ほどかかる根気のいる作業だ。
次に下絵を描く。描きながらどの切手を使うかを考え、イメージに合った切手を探すため「キロボックス」を注文することも度々ある。
そして、いよいよ制作である。切手を鋏やカッターで帯状あるいは糸状に細かく切り分け貼っていくという手法である。根を詰める作業なので夜家族が寝静まった時間に行った。
作品によって制作期間は異なるが大きな作品は 2カ月ほどかかる。何千枚、何万枚の切手を使用したか、完成した作品を見ると構図や色使いでの苦労も飛んでいってしまうが、ため息をつくのが癖になってしまった。
高校を卒業後、手描き友禅工房で 25 年間仕事をして現在の職場に入った。絵を描くにあたって構図・色彩感覚は友禅工房で身についたものと思っている。
個展を開いては、「作品を購入したい」との申し出もありましたが、作品は部屋の押し入れに置いてある。
尚、切手の博物館(東京・目白)が主催する「切手貼り絵コンテスト」に出展して何度も入選し、現在も作品「サーモンの切り身」が同館 1 階に展示されています。
今後も多くの方に見て頂き興味を持っていただけると嬉しいです。これからも浮世絵や葛飾北斎の作品など制作を続けます。
【作品】