【大阪府】「食」の大切さをお伝えしながら・・・
(今回のお達者さん)
UAゼンセンシニア友の会
全東レUI倶楽部
牧田 成子さん
(夢を叶えるイスキア・主宰、71歳)
働く女性のために料理や家事力のコツを伝えたい
繊維企業が競って華やかな流行を提供し、TVなどで宣伝している時代に、東レ東京本社にOLとして入社しました。「職場の花」と呼ばれる女性たちがもったいないほどたくさん在籍していて、結婚が決まるとほとんどの人が「花嫁修業」のために退社して、嫁ぐ日までにいろいろのお稽古にいそしみました。
私は、結婚と同時に大阪住まいとなり義母姉妹との同居で、一家に主婦が3人いてもと思い、再就職をしました。職場に
も恵まれ、義母達と同居でしたので、その頃には珍しく勤めながら3人の子供を育てることができました。それはまだ、産前産後休暇も短く育児休業制度などのない頃のことです。
時代は変化して、共働きがあたりまえになり、社会も女性自身も仕事への意識が変化してきました。でも、子供を産むことと育てることはもちろん、諸々の家事は相変わらず女性が担っています。退職後、そういう女性の支援がしたいとファミリーサポーターとしてお子さんを預かったりもしましたが、家事や育児を代わって手を貸すのではなくて、仕事しながら家事を楽しくこなすスキルを身につけていただく伝承の方が、女性たちの満足度がアップするのではないかと考えました。そこで、料理や家事力のコツをお伝えする講座を立ち上げました。
趣味から「料理教室」へ
私の料理についてですが、結婚後の職場は繊維会社の東レ労働組合本部で、各種委員会や各工場からの支部長会議など会議後の懇親会や、労使会議のあとに組合らしい懇親の仕方として、職員の手作り料理を提供する機会が増えました。ユニオンパーティーと呼ぶ、心のこもった懇親会です。料理が特別に得意だったわけではありませんが、毎日の家族7人の料理、それは老人用、酒飲み用、発育盛りの子供用と種類も多く、そして職場での宴会食事と料理をする時間はとても多くなりました。
そこで、同じ料理するならイヤイヤするのではなく、楽しんでする方が得策かなと思い立ち、「料理は私の趣味」と位置づけました。趣味・・・好きなことをしていると疲れないことに気がつきました。
だんだん料理を褒めていただく事も増えて、少し料理に自信がついてきました。その頃から、日ごろ気になるご高齢の家族やお一人暮らしの人、昔お世話になった大先輩などに、お節料理を贈りはじめました。その内に応援が必要なほどたくさん作るようになって、それがお料理教室に発展してきました。
佐藤初女さんとの出会い
そんな「食」に興味を持ち始めた頃、ドキュメンタリー映画「地球交響曲第二番」で故佐藤初女さんを知ることになるのです。青森で「森のイスキア」を主宰していた方です。お考えや一挙手一投足までが憧れる存在で、少しでも見習いたいとそのご活動に心を奪われました。そして2013年5月、仲間と青森の「森のイスキア」の佐藤初女さんを訪ねたときに、「あなたもイスキアになって頂戴・・・」と身に余るお言葉をいただき、”夢を叶えるイスキア“が誕生しました。
2007年に、はからずも受賞した赤松常子顕彰会からの「赤松賞」に続く光栄なその誉れに、仲間と一緒に癒やしのイスキア作りに邁進しました。その活動は、私が所属した東レ労組が常に提唱していた、「会社人は同時に、よき社会人であれ! 個人の全人格を開花させて社会との調和も大切に」という精神を知らず知らず身につけていたのかも知れません。
料理教室や各種の集いに料理を提供することが増え、70歳の夢として料理本を出すことを決めました。料理の本は季節の食材を追うので、1年以上かかって2015年8月に出版の運びとなりました。少しでも皆さんのお役に立てれば光栄です。
出会い、手料理、笑顔・・・癒しの場
佐藤初女さんのご指導によれば、人との出会いの場をたくさん作り、手料理を味わってもらい、食の大切さを伝え、笑顔で帰っていただく、癒やしの場になることがイスキアの使命だと意識して活動を進めていきたいと思っています。また、地域のご高齢の方々の集まりにもご要望があれば趣味の折り紙を、その中でも暮らしに役立つ折り紙を、ときには包装紙、ときには広告チラシで折るなど、指の動きと記憶を鍛え、脳の活性化に役立てたいとお伝えしています。