人生経験を活かす「働く文化ネット」の活動

(今回のお達者さん)
基幹労連シニアクラブ
元副会長 小栗啓豊 さん

私は鉄鋼企業に勤め、縁あって長く労働組合運動に関りをもって生活してきました。65歳の時に最後の職場であった公益財団法人総評会館の役員を退任しましたが、その間、とても多くの素晴らしい人と出会いました。労働運動や労働者福祉事業に関わってきた方々の経験、能力は大変貴重なものです。

定年は一つの区切りですが、こうした経験や能力を生かせる場があればとの考えもあって、2013年6月にNPO法人「働く文化ネット」を約30名の仲間と一緒に立ち上げました。

働く人たちにとって困難の多い時代、現役を終えたメンバーで楽しみながらやりがいをもって応援できるテーマはないかを相談して、労働映画・ワークルール啓発・労働資料保存展示の3事業を中心に活動展開することとしました。

労働映画事業は、労働映画を狭くとらえるのではなく、できるだけ多様な作品に視野を広げて、働くことを考える、そしてなにより映画を楽しむことです。これまでに原則月1回、100回以上の映画鑑賞会を開催しています。

ワークルール啓発事業は、一般社団法人ワークルール検定協会が2013年11月から実施している検定事業を支援、協力してきました。働く側も使用者側も、働くときに必要な法律やきまりを知ってほしいという当法人メンバーの思いが、徐々に拡がっています。これまでの受検者は17,000人を超えています。

これらの活動は、公益財団法人総評会館の支援をいただきながら、主として千代田区の連合会館内で活動し、会員のボランティアですすめています。

私は地域での趣味の活動も行っていますが、そこでも元気な先輩に力をいただいています。社会とのかかわりを持ちながら、何らかのお役に立てること。

これが人生にとって大切なことだと改めて感じて、今回、NPO法人働く文化ネットの活動を紹介させていただきました。