【高知県】10月17日 障害者支えて28年 “生涯現役”で活動

行政抜きで施設設立

全電通分会役員の時代に受けた大学の通信教育で、重度の障害を乗り越えて、学び・働く場所を求めて悩んでいる学友・仲間を知りました。その希望に応えようと、地域の人や全電通組合員に「コーヒー1杯300円カンパ」を呼びかけて資金づくりに取り組み、農地の無償提供とあわせて熱い思いで「さくら福祉事業所」を行政抜きで設立しました。

新しい施設の開所式でテープカットする田村さん(左)

新しい施設の開所式でテープカットする田村さん(左)

障害者自立の門開く

その間、町議会議員、県議会議員と、NTT社員と二足のわらじをはきながら、障害者支援に関わり28年の歳月が過ぎました。
県議会議員を4月に退任し、現在は、現場の第一線で、事業所運営に取り組んでいます。
事業所開設時には、障害者が自立しようにも、社会の門は閉ざされていました。「さくら福祉事業所」設立とともに地域と労働組合との連携を進めることにより、周辺地域の理解を得られたことが何より大きな喜びでした。
この活動が、現在、「あったかふれあいセンター」など7地域に拡大、障害のある人たちが住み慣れた地域で安心して暮らせるようにと、約300人の仲間と「共に生きる」を原点に頑張っています。生涯現役の思いです。

街頭でのキャンペーン活動で市民に訴える田村さん

街頭でのキャンペーン活動で市民に訴える田村さん

命守る医療・介護・福祉を

しかし、医療・介護・福祉など、対人行政の分野では重大な歴史の転換点にきています。
昨年6月「医療・介護総合確保推進法」が成立しました。世界に誇れる国民皆保険制度がなし崩しにされ、介護保険制度でも、もろもろのサービスが低下、生活保護など福祉分野の財源縮小の動きが強まるなど、人々の命と暮らしに重大な影響、不安がもたらされています。今こそ、命を守る医療・介護、命を尊重する福祉が求められます。
議員などで得た専門的知識・経験をもとに、一個人として、今後とも声を上げていきたいと思っています。
OBになったといって疲れるわけにはいきません。前へ前へと挑戦し、それを元気のもとにします。仲間の皆さんもぜひ加わってください。

<今回のお達者さん>
NTT労組退職者の会・高知県支部協
田村 輝雄さん
(NTT労組退職者の会「ひろがりネット」10月17日より)