【青森県】“縄文の語りベ”として9年目、三内丸山遺跡でボランティアガイド。
<今回のお達者さん>
青森県退職者連合
諏訪 正仁さん
(林退会青森県連絡会)
縄文時代を再発見
2000年11月、国の特別史跡に指定された「三内丸山遺跡」は、今から約5500年前から約4000年前まで約1500年間続いた縄文時代の巨大集落遺跡です。
この遺跡は、1992~1994年の青森県営野球場建設に伴う調査で、大規模集落や多くの建物跡などが見つかりました。直径2mの柱穴に直径1mのクリの柱が残っていた大型掘立柱建物、長さ32m、幅約10mの大型竪穴建物をはじめとした巨大建物のほか、700を超える竪穴建物の検出、2000点もの土偶や遠隔地との交流を示すヒスイや黒曜石の出土など、その重要性が明らかになりました。このため、1994年8月、青森県はスタンド建設まで進んでいた野球場の建設中止と遺跡の保存整備・活用を決定しました。
この遺跡は、これまでの縄文時代観を変えるもの、あるいは日本社会が縄文時代を再発見するキッカケを作ったと言っても過言でないと思います。
自然と共生した社会に共鳴
私は現在72歳。私が三内丸山遺跡でボランティアガイドを始めたのは、自然と共生した縄文社会に共鳴したからです。現代の科学技術と縄文文化の指摘していることを、これからどう調和させていくかという大きな問題を突き付けられているように思います。
人間が自然の中で生きてきた自然の一員として、自覚して生きてきた考え方をもう一度見つめ直したい、このような思いをささやかながら発信できればと思っています。
ボランティアガイドは今年で9年目になりました。毎年全国から30万人くらいの見学客が訪れますが、「5000年前のことがよく分かった」などと皆さん感動して帰られます。また、各種施設が無料であることも喜ばれています。
これからも元気で長く続けていきたいと思っています。