【愛媛県】子どもたちと心を通わせる絵本の“読み聞かせ”ボランティア

みんなのおばあちゃんになろう

保育園で園児に絵本を読み聞かせる萩森さん。(2011年12月6日)

保育園で園児に絵本を読み聞かせる萩森さん。(2011年12月6日)

この「読み聞かせ」のきっかけは2001年3月、NTT退職後1年目、孫が通園する「保育園」から始まった。 月1回の「おはなし会」は、40人ほどの園児の前で、大型絵本や紙芝居をし、たまにする「抱っこで昔話」は、抱っこを待つ園児で行列になった。「ああ~私が必要とされている。私の孫だけでなく、みんなのおばあちゃんになろう」と思い、月1回の「おはなし会」を 喜んで引き受けた 。
孫は卒園し、小学校に入学。学校からも朝の読書「よみっこ」を立ち上げて欲しいと依頼され、2005年、有志8人を集めて11月からスタートした。クラス数は18。翌年4月には必要な人数の19人を集め、1年生から6年生まで18クラス全てで読み聞かせの体制を整えた。「子ども好きの優しい、やる気のある人材」が集まった。呼びかけ人の自分が責任をとり、会の代表となった。

12月はクリスマスのムードで。(右は仲間の千佳ちゃん。2009年12月)

12月はクリスマスのムードで。(右は仲間の千佳ちゃん。2009年12月)

ボランティア活動で楽しく、元気に

絵にくいいる2年生。(2010年5月26日、宇和小学校で)

絵にくいいる2年生。(2010年5月26日、宇和小学校で)

学年に合った本の選び方、見せる絵本の持ち方、聞きやすい声と口調・間の取り方など・・・。毎年1回、松山から講師を招いて学習を続け、早や10年目を迎えようとしている。PTAの保護者やOBが混在する仲間は、個性豊かで、頼もしい友人である。仲間から、子ども達から「やりがい・生きがい」と言う、尊いものをもらった。
9年間で、2万冊以上の本を読んできた宇和町小学校の子ども達に「本が大好き!」になってもらいたい。明るく、強く生きて欲しいと願う。宇和町小で、初めて「よみきかせ」を聞いた1年生は、今や、高校受験に頑張っている中学3年生。教育の現場に間近で触れ、優しさの基礎をはぐくむ「読み聞かせ」に携わり、その上、代表を頼まれる幸せに苦労を喜びに変えて、「読んでもらいたい読み手」になるよう努力している。
これからも、周りの人たちに「読み聞かせボランティアが、いかに楽しく、元気になる源(みなもと)」なのかをPRして、後継者を増やしていきたいな。
<現在の活動紹介>

実施場所 園児・学童数 実施回数 時間帯 読みっこの人数 継続年数
宇和保育園 110人 月1回(火) 10:00~10:30 6人 13年目
下宇和保育園 65人 月1回(水) 10:30~11:00 3人 2年目
宇和町小学校 502人 週1回(火) 8:00~8:15 18人 10年目
皆田小学校 69人 月1回(水) 9:55~10:15 6人 2年目
福祉施設みどり寮 18人 月1回(土) 10:30~11:00 3人 1年目

<報告者>
愛媛高退連
萩森 和子