600名が参加して医療・介護保険制度の改悪を許さない高齢者 集会開く
熱気あふれる高齢者パワーを発揮
安倍政権がすすめる高齢者の医療・介護制度の改悪に地域からも反対の声をあげていくために北海道退職者連合は連合北海道の後援をうけ、5月14日札幌市内で「医療・介護保険制度の改悪を許さない高齢者の総決起集会」を開催しました。また集会では「集団自衛権行使憲法解釈変更を許さない」特別決議を採択して、北海道の地からも安倍政権と対決する姿勢を鮮明にしました。
道内から集まった約600名の参加者は、全員「医療、介護、年金の充実を」「平和・憲法を守ろう」のゼッケンを着用。集会終了後は、連合北海道の宣伝カーを先頭に横断幕を掲げて会場から大通り周辺と駅前道路をデモ行進。行き交う札幌市民にシュプレヒコールで訴えるなど熱気あふれる高齢者パワーを発揮しました。
地域で反対の声を上げ、国会での闘いと院外での取り組みを連携させよう
集会では冒頭、主催者を代表して道退職者連合の上松俊彦会長があいさつ。「介護の要支援1・2を切り離し市町村に丸投げすることは、結果として介護サービスの切り下げや利用者の負担増、特別養護施設への重度者中心の入居制限など、介護保険制度の改悪がされようとしている。通常国会はあと約1ヵ月。いま改悪法案が、衆議院厚労委で審議されている。自公の強行採決の動きに抗し、国会での闘いと院外での取り組みを連携させるために地域で反対の声を上げよう」と訴えました。さらに「安倍政権の政治姿勢や手法は目に余る。集団的自衛権の限定容認や憲法9条なし崩しに反対し運動を強化しよう」と参加者に檄を飛ばしました。
STOP!格差是正のキャンペーンを行い、地域包括ケアシステムの確立を求めて行きたい。
連合北海道の工藤和男会長もあいさつの中で社会保障制度問題に触れ、「改悪は許されない」と強調。「介護、要支援予防支援、市町村移管は制度の根本問題、保険料を支払い認定されサービスを受ける権利がある。連合は引き続き各地協とSTOP!格差是正のキャンペンを行い、地域包括ケアシステムの確立を求めて行きたい」との考えを明らかにしました。また工藤会長は「安倍政権の政治姿勢、特に平和と民主主義、社会保障制度に危うさが政治の流れを変えなければ、来年の統一自治体選挙、北海道知事候補、札幌市長候補擁立して先輩と手を組んで闘い政権に鉄槌を」と決意を明らかにしました。
「会場の熱気を感じています」
民主党北海道の高橋亨政策調査委員長からは、「会場の熱気を感じています。(改悪法案が「地域でのボランティア活用」を強調していることについて)市町村でボランティアの力を借りると言っても格差がある。マンパワーの不足問題は深刻だ。介護職場は3Kで低賃金、3年で離職率50%という現状がある」と指摘し、「この状況を変えていかなければ」と訴えました。また「高橋道政の12年の検証を行い、来春の統一自治体選挙に全力で取り組む」と決意を表明しました。
地域包括支援システムをしっかりさせることが大事だ
退職者連合の阿部保吉会長も登壇し、「退職者連合は昨年の秋から年末にかけ地方退職者連合のご協力を得て全国の自治体に要請行動を展開した。声は厚労省に届いていた。さらに本年2月には厚生労働省要請を行った。“介護制度に予算がほしい、財務省の関係もあり市町村移管は避けて通れない。これでは本末転倒だ”と批判したが平行線に終わった。消費税を増税し、一方では支援打ち切りでは、介護の保険者の権利侵害だ。市町村の財政など実態に格差がありサービスの格差は社会問題になる」と問題点を明らかにし、中央での取り組みを報告しました。今後の取り組みについて阿部会長は「地域包括支援システムをしっかりさせること。地域で意見反映できる体制が大切だ。とくに医療・介護・行政、NPO・ボランティアなどのケアシステム会議で点検と充実の意見反映が重要だ」と述べました。
(註)集会が行われている最中、衆議院厚生労働委員会では全野党が反対する中、自公が「地域医療・介護総合確保推進法案」を強行採決しました。