9月15日<2015全国高齢者集会・地域報告から>岡山高退連の養護老人ホーム訪問活動 お礼のお手紙が、一番の感激
岡山高退連の養護老人ホームへの訪問活動は、第1回が1995年(平成7年)に倉敷市ますみ荘で行われました。高退連を結成して3年目でした。
1995年は、65歳以上の人口高齢化率が14%を超え、「高齢社会対策基本法」が制定された年です。法律の目的は「高齢社会対策を総合的に推進し、もって経済社会の健全な発展及び国民生活の向上を図る事」となっていました。具体的には、「新ゴールドプラン」として、1995年度予算編成にあたり、高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略の大幅拡充する方針が実行される年でありましたので、特別養護老人ホームの入所者の皆様にも元気を出していただき連帯感を創ることが、訪問活動をはじめた理由です。
この頃は、慰問活動と表現していましたが、慰問という言葉は、戦時中に使われていた言葉なので、使うべきでないと言う意見もでましたので、現在は訪問活動と表現しています。
第1回目の訪問活動での演技種目と演技人数は、各構成組織から推薦を頂き、[1]詩吟に合わせて踊る詩舞が1名、[2]黒田節に合わせて扇子を持って踊る扇舞が1名、[3]民謡の下津井節を3名で披露、[4]銭太鼓の演奏を5名で、[5]童謡のハーモニカ演奏1名などで、世話役を入れて訪問団23名でした。
以降1997年に第2回目の訪問、そして、2004年の第6回目の訪問までは2年ごとに行っていました。これは役員の任期が2年なので、任期中に1回という事で行われていたようです。しかし、出演者は発表の場所として生きがいと感動を受けていますので、第7回以降は1年に1回ということで、現在は毎年行っています。
経費は、予算上の問題もあり、ガソリン代程度で抑えていますので、後はボランティア活動を原則にしています。
演技種目も[1]大正琴の演奏、[2]舞踊、[3]マジックの披露、[4]どじょうすくいの踊りと替わり、出演者も14名に増えてきました。
そして年度ごとに、演技種目も[1]琴と尺八の演奏、[2]安来節の披露、[3]備中神楽の舞い、[4]マジックの披露、[5]大正琴の演奏、[6]三味線の演奏、[7]詩吟に合わせて剣を持って踊る剣詩舞の披露と増えてきました。
演技種目、演技者が増えることは、訪問活動としてはとても喜ばしい事ですが、訪問先の演技披露時間は、老人ホームのため60分ぐらいが限度でありますので、現在は、演技者を2組に分けて、1年に2施設を訪問しています。
現在、訪問団は、演技者だけでも高退連の会員だけで、琴の演奏が9名、尺八が2名、剣詩舞3名、マジック4名、三味線1名、安来節の踊り1名と合計20名に達しています。しかし、構成組織からは引き続き、演技者の推薦を頂いています。しかし増えることはいいのですが、対応ができなくなる事が心配になってきています。
最近では、琴と尺八の演奏には必ず、童謡の歌詞を配って、入所者の皆さんと一緒に歌ったりもしています。一番受けるのは、水戸黄門の主題歌である「ああ人生に涙あり」です。
この歌を歌うときは、入所者の皆さんは目を輝かせ、声が一段と大きくなります。演技者の皆さんも元気を与えると同時に、元気をもらっています。この事も退職者連合の活動である「生きがいづくり、仲間づくり、そして社会貢献」の一助になっているのではないかと思っています。
訪問活動を始めて、今日まで20回を重ねました。そして、訪問した特別養護老人ホーム施設も延べ20箇所となりました。
訪問しました後、必ず、特別養護老人ホームの施設長様から、お礼のお手紙を頂くのですが、一番感激しました事は、ある特別養護老人ホーム施設へ入所している方が入所以来全く表情を顔にあらわさなかったのに、ニッコリ笑って声を出して、演技者の皆さんの歌に合わせて歌っていた様子をお便りに書いてお礼のお手紙をもらった事です。
今年も11月~12月にかけて訪問したいと計画しています。入所者の皆様が元気になっていただく事はもちろんですが、私たちも元気を出して、健康寿命を平均寿命に近づけるために今後も頑張って生きたいと思います。
<報告者>
岡山高退連
会長 新見 三郎