年金、医療・介護の充実、安心で豊かな福祉社会づくりに取り組むと共に、生き甲斐づくり、社会貢献活動などを地域で取り組む退職者、年金生活者の組織です。

茶飲み話

茶飲み話 まあ、ゆったりと茶飲み話でも・・・。

 仲のいい友人や隣人とお茶をのみながら、ゆっくりとした時につつまれて交わす茶飲み話は楽しいものです。スローライフな私たちシルバーエイジの特権かも知れません。縁側で日向ぼっこをしながらいただくお茶のお供に、退職者連合のコラム「茶のみ話」で語らいに花を咲かせてはいかがでしょう。

茶飲み話[128] コロナから新たな日本へ

 世界的な「新型コロナ感染」が猛威をふるい始めて早1年を超え、今後の見通しすらまったく予測できない状況が続いている。
この度の「感染症による未曽有の危機」に対し、国や地方自治体の体制、医療施設・医療関係従事者や保健所体制の不備等々、日本の危機管理体制に様々な決定的欠陥が存在していることが明らかになっている。
 阪神・淡路や東日本大震災、この間の自然災害危機とは全く質的に違う事態だけに、進行中の深刻な事態に国を挙げて鎮静化への努力をさらに続けていくことが重要である。東京高退連(関東1都7県の組織もほぼ同様)も「感染に弱い高齢者の組織」であることから、昨年の3月以来10月の総会(書面開催)前の三役・幹事会の対面開催以外、全ての会議・予定活動を休止し今日に至っており、私自身、50年近い運動歴の中での初めての経験だけに日々忸怩たる思いでいっぱいである。そのうえで、この間の私たちに運動にかかる政治的動きなどについて、いくつか触れてみたいと思う。
 まずは2012年から続いた史上最悪の安倍政権が、病気による自滅という形で2020年8月28日に総理辞意表明に至ったことである。安倍政権は、論評することすら憚れるほどの「憲政史上類例のない民主政治とは程遠い政治の劣化」「あからさまな忖度政治」を展開、モリ・加計、サクラ、黒川・河井問題など、国会を開けば常に「疑惑追及に時間を費やす」ことが続けられてきた。そして、驚くことに、その悪政の「根っこ」であった菅義偉元官房長官が、第99代内閣総理大臣に就任した。菅政権は安倍内閣と同根政権であり、現に菅総理の息子が絡む東北新社がらみの総務省通信行政接待・増収賄?疑惑などが進行中、内閣支持率も低空飛行を続けている。
 いずれにせよ、今後、新型コロナ・変異種やワクチン接種の行方、森五輪組織委員長辞任、佐々木式典統括責任者の辞任などの不祥事続きの東京五輪の有無、米バイデン政権と中国の関係(日本への影響)など問題は山積しているが、7月の東京都議会選挙、総選挙(補欠選挙など含む)は必ず実施される。この原稿執筆中に、連合、連合関東ブロック、立憲民主党などが支援する千葉県知事(熊谷俊人氏)・千葉市長選挙(神谷俊一氏)の大勝利(三倍・二倍の得票)が報道された。残念ながら世論調査では、野党の支持率の伸び悩みが報道されているが、野党各党の努力で、総ぐるみの闘争体制を確立し「新たな日本の夜明け」を皆さんと共に実現したいものである。

関東ブロック幹事 遠藤 幸男 (東京高退連会長)

茶飲み話[127] コロナ後の世界へ

 丁度この原稿を書いている時に「福島と宮城で震度6強の地震発生」というニュースが飛び込んで来ました。間もなく東日本大震災からまる10年が経ち、ようやく復興の形が見え始めたところに、再び大きな地震が発生したとのこと。福島・宮城の皆さんはもとより、周辺地域の皆さんの心労を思うと胸が痛みます。大きな被害がないことを祈るばかりです。報道によれば今回の地震は、あの東日本大震災の「余震」であるとのこと、改めて地殻変動というものの時間軸の大きさに驚かされます。こういうことが起きる度に、大自然の営みに対して人はあまりにも無力であるということを思い知らされるように思います。
 さて早いもので、2021年が明けてから2ヶ月が経とうとしています。世の中は相変わらずのコロナ騒ぎですが、ここに来て少し変化の兆しが見えて来たように思います。
 コロナのことで言えば、やはりワクチンの接種が始まることは大きいと思います。色々な意味で社会や人々の暮らしに様々な影響を与えることになるでしょう。副作用などの安全性が危惧される中、それでも厚労省がワクチン接種を急ぐのは、やはりオリンピック・パラリンピックのことがあるからではないでしょうか。日本政府やJOC関係者の発言からは「何が何でも開催したい」という思いが透けて見えます。この日のために鍛錬を積み重ねて来た選手たちの気持ちを考えれば、それも止むを得ないのかなとも思います。春のセンバツ高校野球の開催は、オリンピック・パラリンピックへの道筋をつけるという意味からも重要な大会になると思います。
 そして、そうした一連の行事の最後が総選挙。度重なる失態続きで政権の信頼は地に堕ちています。決して甘くはありませんが、野党陣営にとっても存在感を示す絶好のチャンスだと思います。またそうしなければならないとも思います。
 ワクチンの接種開始によってコロナの収束に向け舵を切る、そして大きなスポーツイベントの開催を通じて国民の日常と経済復興への道筋をつける、そして最後に総選挙を通じて政治の流れを変え国民の信頼を取り戻す(うまく行けばということですが・・・)。
 こう考えると、今年2021年という年は歴史に残る年になるのではないかと思います。あとから歴史を振り返った時に、歴史的ターニングポイントとして語り継がれる年、2021年はコロナ後の世界が形成されて行くきっかけとなったといわれる年になるような気がします。

東海ブロック幹事 武田 康郎 (岐阜退連会長)

茶飲み話[126] 富山のくらしと私

 北陸ブロックの4県は、歴史名称として今でも福井が越前、石川が加賀、富山が越中、新潟が越後として使われており、その関係もあり、今が旬のズワイガニの呼び名も越前ガニ、加能ガニ、高志の紅ガニ、越後本ズワイと各県がブランド化した競争もあります。私の住む富山は、富山湾の紅ズワイガニで一廻り小さく甘みのあるのが特徴です。
 富山湾は、日本海で最も深水が深く約1,200m。3,000m級の立山連峰からの雪解け水が、黒部川や常願寺川等多くの一級河岸からミネラルを含み流れ込み、魚の豊富さでも知られています。地元食材のみの「富山湾寿し」が、ポスター掲示のお店で食することが出来ますので、コロナ収束の折には、是非ともご来県下さい。(北陸新幹線が5年前に開業、東京より2時間8分です)
 景観も秋と冬には蜃気楼が発生することでも有名で、これらが評価され6年前に「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟が認められました。

 私の趣味は、ウオーキングと温泉めぐりです。
 ウオーキングは、労働組合の役員時代、飲酒の機会も多く、太り過ぎ防止と運動不足解消にと始め、30数年になります。
 国内では東京に縁があり、産別の役員会や労働金庫当時、全国の理事長会議や協会・連合会の会議は東京が多く、また、OBになってからは、JAMシニアや退職者連合の会議等で東京に行く機会があります。一泊する時は、港区のホテルだと日の出桟橋近辺の海岸、東京タワー周辺、麹町だと皇居周辺、鶯谷のホテルだと上野公園周辺を必ず歩きます。
 自宅では、田んぼの多い田舎道を歩いて、はじめは目立ちましたが、今では私の影響か(?)多くの男女がウオーキングを楽しんでいます。私は歩く姿勢にこだわり、30m先を見て背筋伸ばし、早足・大股を心掛けて歩きます。
 富山県は、健康寿命も年々伸び、男女ともにベストテンにはいり、県庁でもウオーキング効果もあると認識し、「ウオービズとやま県民運動」のPRポスターも掲示し推進、私も総会等で話をしています。

 次に温泉めぐりですが、地元や石川の日帰り湯は数多く制覇。泊りでは、岐阜、新潟、長野への秘湯めぐりが楽しく、5年前に私の温泉好きが知れ渡り、某金融機関が職員の福利厚生用に所有している宇奈月温泉にある、源泉掛け流し大浴場付きリゾートマンションの一室を買わないかと紹介され、家族と相談、老後の楽しみを兼ね購入。
 トロッコ電車の駅より歩いて4分の小高い丘の上にあり、14階建で、104室あり、当時は地元企業、電力会社、病院、金融機関等が多く所有、個人では4~5人でした。今では個人所有も増えています。
 24時間入浴可能で、私は朝5時から夜9時頃まで6~7回は入浴。サウナ室もあり、景観は素晴らしく、特に紅葉の時期は格別です。セキュリティーや清掃は業者が入り安心・安全。女房は購入時から気に入り、月の半分以上滞在しているのですが、私は一週間程でした。しかし、コロナ禍の今は、宇奈月滞在も増え、ここで、この原稿を書いています。
 温泉万歳です!!

北陸ブロック幹事 鈴木 光男(富山退連 会長)

茶飲み話[125] 地域活動の強化ってなんやねん!

 2020年は、百年に一度と言われる「新型コロナウイルス感染問題」の影響を受けて、ご多分に漏れず大阪退連も例年の活動がほとんど出来ませんでした。500人規模の「大阪高齢者集会」や1500人規模の「近畿ブロックハイキング」は中止し、「総会」は書面審議としました。そんな中で、数年前から「地域活動の強化」として取り組んできた「連合大阪の地区協単位に退職者会をつくる」活動が今年大きく前進したので、今回はこのテーマでお喋りします。
 日本退職者連合は、会員数を100万人にすることを当面の目標にしています。大阪退連も会員拡大に努力してきましたが、定年付近での雇用形態の変化等々もあり、新規会員が増えず逆に自然減が多く会員数はむしろ減少気味で5万人を割ってしまいました。
 一方で大阪退連は、これまで「自治体への政策要求」や「各級選挙」の活動の中で、「地域や地区単位での退職者会の必要性と重要性」を痛感し続けてきました。
痛感した事象の一例を紹介すると、「大阪維新の会」が強いのは、最初の内は、“風が吹いた”とか“橋本人気”だとか、“派手なパフォーマンス”によるものと考えがちでしたが、今や悔しいけれど、大阪に限っては「大阪維新の会の政治勢力は本物」と考えざるを得ません。その「力の源泉」は、「どぶ板選挙」と「地方議員の数」です。大阪府内の自治体議員定数は、998人です。その内、維新は225人でどの党よりも多く「足腰が強い」と言われる所以です。因みに、自民は134人、立憲民主と国民民主は、それぞれ20人程度です。地域活動の差がここに顕著に表れています。さらに浮動票を「維新の固定票」に変化させることにも成功しています。
 翻って、これらのことは、私たちが支援する政党や労働組合に欠けていることではないでしょうか!わが陣営の政党や労働組合は、今一度、地域での活動を見直し、足腰を強化し、自治体議員を増やすことから始めないと、政治勢力回復へ「起死回生は有り得ない」と危惧します。労働組合の取り組みとしては、「地域協・地区協の活動を強化」することであり、加えて「その単位での退職者組織をつくる」ことだと思います。大阪退連の地区退職者会は、これ迄4地区組織でしたが、今年8月に大阪市地域協役員OB会が大阪市内の7地区協役員OB会と共に大阪退連に加入しました。これで連合大阪20地区協の内、11地区協に退職者会が出来たことになります。引き続き、目標の「大阪全地区協に退職者会を結成」に向けて現退一致で精一杯取り組む所存です。

近畿ブロック幹事 林 晃(大阪退連会長)

茶飲み話[124] コロナ禍

 新型コロナウィルスが中国・武漢から一気に感染拡大し、今や世界全体で6000万人を超える感染者を出しています。日本も大変ですが、米国・欧州が特にひどい状況です。
 2月には感染がじわじわと増え始め日本でも危険な状況になってきました。広退連もコロナ対策を真剣に考え、とにかく感染者を出さないことを第一義とし、感染の可能性のある会議・行事などは全て中止としました。
 感染拡大の傾向を見ると、早期に終息することは考えられず延期しても意味がないので中止を選択しました。昨年の12月に開いた総会以降ほとんどの人に会っていません。寂しい限りです。事務局会議は4名で打合せを3回しましたが、それでもホッとしたものです。
 感染を終息させるために様々な対策が行われていますが、いずれも有効打となっていません。政府と自治体そして専門家との間でも不協和音が聞こえてきます。コロナ禍を完全に終息させるためには、有効なワクチンと治療薬の開発が不可欠です。これも報道によりますと簡単ではないようです。
 そもそも感染者を拡大しない事と経済活動の活性化は矛盾するものです。この状況を続ける限り感染者を減らすこともできないし、経済の活性化も限界があります。
恐る恐る小出しにしていたのでは現状打開は無理です。日本の危機を回避するには大胆な道を選択するしかありません。
 私は東京・大阪・北海道・神奈川・沖縄・愛知・埼玉・千葉・兵庫を一定期間ロックダウンする。その間の飲食業・交通・ホテル・関連中小企業などを救済する経費は国債で賄う。30兆を目安とする。今までも国家予算を国債で補填してきたのですから、やる気があれば実施は可能です。
 何とか持ちこたえながらワクチンと治療薬の開発に全世界が協力して取り組み事業を成功させれば明るい未来が望めます。

中国ブロック幹事 乃美 友治郎(広退連 会長)

茶飲み話[123] ふたつのボランティア

 現役時代の私は決して「仕事人」ではなく、子どもの学校行事やましてや地域の諸行事にはほとんど参加することのない「職域人間」でありました。ところがリタイヤとともに、学校や地域行事に関わることとなりました。(因みに、退職者連合との関係は職域人間であったことに由来したものでした)

 朝7時になると制服に着替え持ち場へと向かいます。そう、3年目となった小学生の安全登校の「交通安全指導員」としてのボランティア活動が始まります。およそ750名の全校児童数で、田舎にあってはそこそこの規模の小学校です。そして私の受け持ち児童は10班110名の集団登校となります。
 110名の中にいくつものドラマが見えてきます。大半の児童は元気に「おはよう」のあいさつを交わしていきますが、目に涙をためての子やどうしても遅れがちの子がいます。そんな中で昨1年生となった女児は、毎日お母さんと一緒でなければ登校できず心配していましたが、5月になると涙をためながらも他の児童と通学することが出来るようになりました。しかし、休日(休校)明けはお母さんと一緒の登校風景でした。それが夏休み明けからは、その風景もなくなり成長したのだと感じました。今では2年生。ニコニコの登校が続いております。
 こんなことを繰り返す日々ですが、一昨年の3月、卒業式が間近になったとある日、6年生の男子児童が「これあげる」と手渡されたものがありました。何かと思い見ると、手書きの6年生一同からの「感謝状」でした。「雨の日も風の日も僕たちが安心して通学することができました」と記されていました。こんな風に思ってもらえていたことに、私が感謝する出来事でした。

 いま一つのボランティアは老人会です。校区内に6支部があり、居住地域の老人会に加入して10年あまり、会長を引き受けて5年あまりとなりました。
 加入当初は日帰り旅行や道後温泉での懇親会に大型バスで出かけておりましたが、その参加数が年々減少していくのが目に見えてきました。
 老人会は「社会奉仕」を謳っていることもあって、毎月の神社清掃や国道沿いの花壇のお世話を行っていますが、これらの参加者も極端に少なくなってきました。会員数が増加しないこともありますが、老いによることが最大の要因です。亡くなる方や歩行が思うようにならず、施設への入居者も少なくありません。

 このふたつのボランティアは、子どもはどんどん成長していく反面、老人会メンバーは確実に老いていくという、両極が日々の中で見えてくることです。
 さて、自分もいつまで続けられるのかと思う今日この頃です。

四国ブロック幹事 織田 等 (愛媛退連 事務局長)

茶飲み話[122] 健康日誌について

 厚生労働省は、「誰の世話にならず自力で日常生活を営むことができる」と健康寿命を定義しています。平均寿命年齢に対して、健康寿命年齢は追いついていません。私達高齢者は「誰でも配偶者や子ども達に迷惑をかけないで、“ピンピンコロリ”で人生を終えたいと望んでいます」そのために、平均寿命と健康寿命の年齢差を短縮しなくてはなりません。福岡県退職者連合は、健康寿命の延伸に向けて健康管理、健康増進活動の展開を求めています。

 自らも日常生活の改善、健康管理、健康増進活動を進めています。
 具体的には、生活習慣病に起因する不適切な食事、過度な飲酒、塩分や糖分の過剰摂取、運動や睡眠不足などを日常生活で改善しなければなりません。
 私は、できることからと飲酒の制限、週二日の休肝日の設定を試みました。しかし、なかなか継続が困難で1ヶ月ごとに脱落の繰り返し、何とか飲酒規制の気持ちは崩さないように頑張っています。
 日常的な運動として、毎朝1時間の散歩を行ってきましたが、半年ほどで咳が多発し病院で診察・検査したところ原因不明で、医者いわく中国大陸からの汚染物質(PM2.5)が原因ではなかろうかと言われました。
 そのころ自宅付近でスポーツジムの開設の広告チラシが目に入り、朝の散歩をやめてスポーツジムへ入会を申し込みました。

 スポーツジムではストレッチ、筋肉強化、有酸素運動など約1時間半そしてヨガ、体幹強化の教室に入り、1日3~4時間を過ごしています。3ヶ月で体重を5kg減量でき、目に見える効果がジム通いて現れました。

 ジムは同世代の高齢者が大多数で、その内女性が70%を占めています。彼女達は旦那さんから解放されて、生き生きとした時間を楽しんでいるみたいに感じます。他方、男性は奥さんに「ジムの時間よ、早ういかんね」、たまに早く帰ったら「もう終わったの、早かね」と邪魔者扱いで私も同類かなと思いました。ある同世代の高齢者の方は、弁当持参で開館の10時から17時までジムで過ごしています。「1日の大切な仕事ですもんね」と笑っていました。 
 ジム通いの高齢者は元気です。皆さんは“ピンピンコロリ”で人生を終えたいと望んでいると思います。私もこの思いで、淡々とジム通いに明け暮れています。

九州ブロック幹事 檀 勝樹(福退連 会長)

茶飲み話[121]

☆え~っ?いくら増えても困らない借金があるんですか?

  • 近頃はやりの「MMT理論」とやらでは、①自国通貨建ての国債で、②ハイパーインフレさえ起きなければ、政府債務はいくら拡大しても差し支えない、らしい。
  • しかし、いくら借りても構わない借金なんてこの世にあるんでしょうか。収穫より多く食べようとしたら、種籾に手を付ける?来年作付けができませんよ。よそから分捕ってくる?野盗・山賊はだめですよ。隣村などから借りまくる?孫子の代までかかっても返す義務があります。それとも踏み倒す?それは人の道に反する。
    珍しい「理論」を振りまわしても本質は変わらない気がしますけど。
  • 日本の国債残高は既に932兆円、グロスの財政赤字規模はGDPの2.3倍、コロナ補正予算財源作りを加えると2.5倍も目前だそうで、世界で最悪水準の借金。どうやって返すのでしょう?国債が破産したら年金生活者はえらい目にあうと聞いてます。

☆え~っ?いつから日銀は政府の財布になったんですか?

  • 2013年の「アベノミクス」で日銀が国債を買い始めたときは130兆円。その後どんどん買い増して、2020年4月には国債買い入れ上限を撤廃。2020年5月末で日銀の国債保有残高は500兆円を突破し、コロナ名目の国債をさらに買い増しますから近いうちにGDP552兆円に並ぶかも。いまや日銀が最大の国債購入者です。
  • 日銀の使命は金融と物価の安定、日銀法は日銀が政府の財布になることを禁じているはずです。中央銀行たる日銀が政府に言いつけられてお札を増刷して際限なく国債を買うなんて禁じ手でしょう?国債の暴落が起きれば金融と財政双方が瓦解して地獄を見ることになりません?

☆え~っ?集めないで配れるんですか?

  • 社会保障は集めて配る再分配の仕組み。国の2020年度当初予算一般会計歳出の36.34%が社会保障費、大きな比率です。同じ一般会計歳入の45.4%が国債、集めないで配ることが長続きするはずがありません。
  • さりとて今でも不十分な社会保障給付を削れば、高齢者をはじめそれを生活の支えにしている者の生活を根本から脅かしますから、答えは応能負担原則に基づいて税・社会保険料をきちんと集めて必要な給付に充てるしかないと思います。

☆今困っている人を機敏に支援する政府、これからの世を担う子・孫に“何この借金~私に払えって~?”と恨まれない世を作る政府、がほしいです。
ホント。

退職者連合常任幹事 川端邦彦

茶飲み話[120] 「 平和外交に強い日本政府を希望します 」

 安倍首相の「爆買いか」「標的になるだけ」などと言われた地上配備型迎撃ミサイル「イージス・アショア」の配備計画は、秋田、山口の地元の反対などで撤回されました。そのとたんに安倍内閣は「国家安全保障戦略」の見直しに着手。河野太郎防衛相は7月8日の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、敵のミサイル発射基地を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」について保有の是非を検討することを表明しました。自民党内では、「敵基地攻撃能力」を「自衛反撃能力」や「積極的自衛能力」へと言い換えるなどの意見が出ていると言われていますが、「敵基地攻撃能力」は、国連憲章で認められていない先制攻撃であり、「専守防衛」を逸脱するものです。国家安全保障会議では、「敵基地攻撃能力」とともに、「防衛費」を増大させるイージス艦の増隻なども検討されています。
 この検討は、北朝鮮や中国の動向が理由とされています。米国のクリントン大統領時代に北朝鮮に侵攻することが模索された1994年、韓国のソウルが火の海になるなど甚大な被害から取り止めになったと言われています。北朝鮮の核・ミサイル技術の向上に対抗して「防衛費」を増大させれば、北朝鮮の自暴自棄の暴走の危機を増幅させる悪循環に陥りかねません。北朝鮮との対話を実現する国際的なシステムを構築する国際政治・外交上の対応が今ほど重要な時はありません。
 中国が権益を主張する南シナ海では、中国と米国が相次いで軍事演習を行って 緊張が増しています。海上自衛隊も米空母などと南シナ海からグアムにかけての海空域で実践に即した戦術訓練を行っています。また、尖閣諸島周辺の接続水域では、中国海警局公船が継続的に航行し、日本漁船を追う危険行為を行い、7月上旬には中国政府が日本政府に「釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺の中国領海で日本漁船を創業させないよう管理すべきだ」と求める事態にもなっています。航空自衛隊の中国軍機への緊急発進(スクランブル)も増えて、偶発的な軍事衝突が起きる懸念がぬぐえません。
 中国が南シナ海で権益を主張する根拠とする「九段線」について、ハーグの常設国際仲裁裁判所は2016年7月12日、国連海洋法条約にもとづき国際法違反であるとの判決を出しています。「防衛費」を増大させる米国との共同歩調は米中の緊張を高めます。偶発的な衝突回避に向けた日本と中国との対話が必要なことは言うまでもありませんが、東南アジア諸国連合と協力し、中国の覇権を防ぐ国際政治・外交上の対応が今ほど重要な時はありません。
 8月は6日(広島)、9日(長崎)の原爆の日、15日の終戦記念日と平和国家への誓いを新たにする月です。国際平和はもちろんのこと、感染症や地球温暖化に対しても国際連合をはじめとする国際機関での協力が求められています。敵基地攻撃能力を検討する日本政府ではなく、核兵器禁止条約を批准し、核兵器廃絶など国際協力を必要する課題で大きな役割を果たす平和外交に強い日本政府を希望します。

退職者連合常任幹事 大山勝也

茶飲み話[119] 「新型コロナ感染拡大で見えたこと・・」

 1月に武漢で新型コロナウイルスが発生したというニュースを聞いた時は、他人事だった。それがあっという間にパンデミックになり、わたしの日々の暮らしも変わった。
4月の緊急事態宣言後は、家で新聞やTVニュースを見て、過ごしていた。感染者や病院関係者への偏見や差別、そして自粛警察という動きを聞いて、息苦しく暗い気持ちになった。今まで自由に出かけ、友人と話したり、飲んだり、囲碁に行っていた日常がどんなに大切か、そして愛おしいものだったか実感した。
 新聞を読むと、コロナ感染拡大で暮らしが成り立たなくなり、命を脅かされてしまう人たちの現実があった。現役の時、職場の定時制高校には、給食が貴重な栄養源だった生徒や臨時職員の給食調理員さんたちがいた。また母子家庭も多く、家庭訪問をすると疲れ切った母親もいた。仕事をしている生徒はアルバイトでサービス業が多かった。外国人や障害を持っている生徒もいた。彼ら・彼女たちは仕事があるのだろうか?仕事がなくなったら休業補償はあるのだろうか?と思っていた。
 また、この感染拡大が女性たちに与えた影響も気になった。仕事を休んだ保護者に支給される休業補償金が風俗業界で働く女性には最初支給されなかったが、抗議により、支給されることになった。性風俗で女性が搾取されている現実はあるが、職業差別であり、更に搾取するのかと思った。
 また「DVが増加している」と橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)の記者会見があったにもかかわらず特別定額給付金10万円は「世帯主」へ給付された。家庭の中でDVを受け、自粛で外出できない女性は受け取れないことがわからないのだろうか?
 そして女性にとって「ステイホーム」は家で優雅に犬を抱いたり、本を読むことではなかった。切れ目のない子供の世話や家事などの膨大な「無償労働」を担った上でのテレワークだった。
 新型コロナウイルスで、改めて私たちの社会の不十分さを気づかされた。政治家には誠実であってほしいし、私は、気が付いたことを変えていきたいと思った。

退職者連合常任幹事 本村富美子

茶飲み話[118]

 70歳に近いころからさっと眠りにつけなくなった。また、夜中に目が覚めてトイレに行くことも多くなった。それで布団の中で眠くなるまで本を読む癖がついた。好きなのは歴史ものと時代小説で、枕元に読みさしがいつも何冊か積んである。
 あるとき本屋で立ち読みしていたら、初めて目にする作家の時代小説があった。それが佐伯泰英の『密命』の第1巻の初版本であった。私は芥川龍之介や柴田錬三郎の文体が好きだ。艶のある匂うような文体で人物や背景を眼前に表出する。『密命』もそうであった。この本が彼の時代小説の第1冊目で、以降10種類以上のシリーズものを並行して書くようになり、文庫書き下ろし時代小説というジャンルを確立することになる。2年前に菊池寛賞を受賞したが6千万部を超える売れ行きだ。
 近年亡くなった桝本 純君は連合、連合総研時代の仕事仲間であり、飲み友達であった。聡明で知略に富み、かつナイーブな男だった。喫茶店で会って最近面白い本はないかとの話になって佐伯の話をし、持っていたものを読んでみたらと渡した。2番目のシリーズものの『居眠り磐音』だったかもしれない。1年以上過ぎたころ飲み話の中で「野口さん、僕は佐伯の本を全部読んでいるよ」と突然告白した。あっけにとられたがそれだけではない。しばらくしてから私の読んでいないあるシリーズの1巻から最新版まで十数冊の新刊本がドサッと届いた。忘れられない友だ。
 時代物の面白さは主役の剣豪の旅にある。行く先々の歴史、文化、人物がドッサリ盛り込まれている。仕事で出張するとできる限り時間を作りこれらを追って歩く。
 余談だが、毎日寝ながら本を支えて見ていたせいか、左の人差し指の根元に大きなこぶができた。悪性かもと不安になって病院に行ったらガングリオンだという。関節の潤滑液が漏出してたまったのだという。注射針で抜き取れば手当は終わりで、見せてもらったら真っ白いゼリーでうまそうだ。しばらくするとまた溜まるが医者はゼニにならないので喜ばない。
 最近は松田壽男氏の『砂漠の文化』(岩波書店)を1週間以上かけて読んだ。中央アジアの地図をカラーコピーし、横目で見ながら読み進む。昼間にパソコンで地名や人物、民族などの背景・歴史を調べる。たとえば「突厥(とっけつ、チュルク)」。チュルク族はモンゴロイド系だが様々なスタン国やトルコ人の祖先だ。ウィグル族もここから派生する。行ったことのない天山山脈やタリム盆地が夢をかき立てる。だが東西を問わず世相や歴史を共に語り合える友はもういない。

退職者連合副会長 野口敞也

茶飲み話[117] 新型コロナウイルス禍に思う

 今日は5月1日、メーデーである。日本では、ちょうど100年前にメーデーが始まったそうで、本当であれば今年は従来にもまして代々木公園など各地の会場にたくさんの人々が集まり、労働者の祭典が盛大に催されるはずだったであろう。しかし、先月29日に行われた連合主催の中央メーデーは、メッセージ配信によるWeb開催となった。「三蜜」を避けるためとはいえ、かつて労働運動に携わってきた身としては、残念としか言いようがない。
 それにつけても、新型コロナウイルスだ。1月中旬に日本人で初めて感染者が確認され、一気に拡大してからは、それまでのどことなく対岸の火事的な雰囲気が一転し、新聞もテレビもそして日常会話も、まずは「新型コロナ」が枕詞になった。そして、「入国禁止措置が遅れた」だの、「CPR検査数が少ない」だの、挙句の果てには不良品が相次いでいる「アベノマスク」だのと、安倍政権に対する批判的な声が高まっている。安倍政権を擁護するつもりはさらさらないが、なにせ今回の新型コロナウイルスは、世界中で2000万人~4000万人が、日本国内でも約40万人が死亡したとされるスペイン風邪以来のパンデミックと位置付けられている。日本が執ってきた対策が、世界のそれに比較して有効・妥当なものかどうかは、それこそ歴史が証明してくれよう。安倍政権に対する評価は各人の心の中に秘めておき、感染者数をこれ以上拡大させないために自分たちはどんな行動をすべきか、まずはそのことに専念すべきだろう。
 政府が、7都府県に対して緊急事態宣言を発令したのが4月7日。多くの国民が不要不急の外出を避け、また企業も試行錯誤しながら在宅勤務を奨励し始めてからそろそろ1ヵ月が経つ中で、さまざまな変化を感じ取ることができるようになった。スーパーや食料品店には多くの買い物客が集まるが、それ以外の場所では、電車やバスは言うに及ばず、街中も人影はまばらで様子が一変した。スポーツジムや図書館といった公共施設、飲食店などのほとんどが休業となって、これまでいかに多くのことを、当たり前のように享受できていたかに気付かされる。国民のニーズに応えるために、現在の状況下でも心無い誹謗・中傷にも耐えつつ激務をこなしている方たちが存在するということも含めてである。
 感染者数の増加ペースは一進一退の状況が続いている。6日までとしている緊急事態宣言の延長も言われているが、宣言を解除し経済活動全般を再開しなければならない日は必ず訪れる。新型コロナウイルス禍で感じ取ることができた様々な気づきは、日本人が持つ社会観や価値観そして生活様式を見つめなおす契機になるのではないか、改めてそのように思う。何はともあれ、今はただ、一日も早い収束を願うばかりである。

退職者連合副会長 宮園哲郎

茶飲み話[116] 「音訳」で世界が少し広がり深まる

 私は小学校で教員として働いてきた。現職時代は毎日が忙しかったが、子どもたちと一緒に過ごす日々はとても充実していた。
 退職を目前にしたある日、区の広報紙に載っていた「音訳者養成講座 受講生募集」の知らせに興味を持った。「音訳って何?」何も知らなかった私は、早速区役所に電話をかけて、「音訳」の概要と講座の受講について尋ねた。「音訳」とは視覚障碍者が読みたい本を、「音声」に変えて、声で本を聞くことができるいわゆる「声の蔵書」を作る仕事だと知った。
 デモテープの提出、簡単なテスト、週に1度3時間ほどの講座を30講座受講、最後に終了テスト。クリアすれば音訳者としての登録となる、とのこと。退職が目の前だったので、時間的には何とかなるかと思い応募し、受講生になれた。
 毎週出される宿題は、主に文章を読んでそのテープを提出することであった。始めてみると、私には知らないことばかり。汗をかき、目を白黒させながら課題を提出していった。やっと最終テストにもなんとか合格し「音訳者」資格取得となった。
 読む本は図書室から依頼がある。ジャンルはさまざまで、小説が一番多いが、時には映画や舞台の台本・専門書・絵本等もある。アメリカの野球史、なんて私の読書範囲には登場しない本もあったりして、興味深く読んだ。子育て本では、そうそうそうだよね、などと共感しながら読んだ。分からない言葉はとにかく調べる。例えば地名で、「神戸」は「こうべ?かんべ?ごうど?かんど?」地域によって読み方がみんな違う。今はインターネットがあり、調べの作業は早くできるようになった。
 どの本も、正しく伝わるように注意しながら、一冊一冊を仕上げている。
 ボランティア活動なので無理せず、今は年に2~3冊のペースで引き受けている。蔵書の作成は人のために、ではなく終わってみれば必ず自分の世界が少し広がり、深まっている実感を得ている。

退職者連合副会長 北村典子

茶飲み話[115] 「日本の四季」季節の花(花言葉)で綴る春夏秋冬

※季節の花の開花時期は主に「開花・結実」を意味しています。

春(2~4月)里山に「タンポポ(神のお告げ)」や「ヤマブキ(金運)」が目を出せば、やはり野に置け「レンゲ草(心が安らぐ)」とばかりに、花々が野山の風景に彩りを添えます。そこに、日本の花を象徴する可憐な「さくら(すぐれた美人)」が一斉に先ほころび「菜の花(小さな幸せ)」や「ツツジ(慎み)」が春にふさわしい暖かさを広げます。

夏(5~7月)レインコートがよく似合う「紫陽花(移り気)」の季節が過ぎて、浅草では星に願いを七夕に託す「朝顔(はかない恋)」の朝市でにぎわいます。そして、はるかな尾瀬の「ミズバショウ(美しい思い出)」の遅い雪解けが夏への移ろいを感じさせます。
秋(8~10月)空を見上げれば海の向こうに入道雲。太陽のように輝く花「ひまわり(貴方だけを見つめます)」と、花の女王と言われる「バラ(熱烈な恋)」は遠い青春の思い出です。時は過ぎ「コスモス(美しい調和)」が風に揺れています。

冬(11~1月)澄んだ空気と銀杏並木の枯葉が舞い散ると、初冬に開く「シクラメン(はにかみ)」の姿は愛らしい。それでも水辺の「スイセン(うぬぼれ)」は、少し反省をするかのように春の始まりを予感させています。待ちわびたお正月の「福寿草(幸せを招く)」の後には「梅(澄んだ心)」の甘い香りが漂う季節を迎えます。
 いつしか齢(よわい)を積み重ねる中で、多忙なあの頃に忘れかけていた感性を改めて取り戻したいものです。また時代が変わっても「日本の四季」は変わらないようにと願うばかりです。そして2020年を良くするために「3つの課題」に取り組みましょう。

○「安心社会」の実現
「親の幼児虐待、セクハラ・パワハラ、高齢者を狙った振り込み詐欺や悪質商法」など幼い子供や弱い立場にある人を対象とした卑劣な犯罪が続出しています。こうした社会悪を撲滅させる「社会改革の断行」で社会正義が守られる社会づくりを目指しましょう。

○「災害に強い社会」の再構築
多発する自然災害から身を守るため今一度①自助(食料備蓄や災害保険の加入)、②共助(地域社会との連携、ボランティア活動参加)、③公助(立法・行政の防災、減災対策の強化)の大切さを再認識し、それぞれの立場で災害に強い社会づくりを目指しましょう。

○「活力ある福祉社会」の実現
「弱い立場の方々の生活をシッカリ守り、頑張っている人たちも応援する」日本らしいバランスのある社会づくりを目指しましょう。

退職者連合副会長 青木研一

茶飲み話[114] 読書=濫読のすすめ

 この欄の執筆を三役会議のメンバーでと決めてから若干気になってはいたのだが、まず会長のコラムが掲載された。次は事務局長だろうと思ったが、念のため確認の電話を入れたところ、「次はあなたよ」とのこと。「えー、何を書けばいいんだ」と思わず漏らしたら、間髪を入れず「本を読むのが好きと聞いているからそれではどう?1月末でいいから」
 たしかに本を読むのは子供の時から好きだった。
 「電柱に括り付けているのと同じ」とは、隣のおばさんの私の子守り風景への評。私が、弟を負ぶって本を読んでいる。弟が泣こうが喚こうがと言うのである。そんなにひどくはないと思うのだが。
 といっても文学少年などでは全くない。相撲や野球で遊んでいるのが断然多い。読んでいたのは「おもしろブック」(?)などの少年雑誌だったろう。ともかく“茶飲み話”である。まさか、長い読書遍歴を話しているわけにはいかない。
 大相撲が大変な盛り上がりを見せている。スポーツ観戦は大好き。何しろ、栃若時代からのフアンだ。鍛えられた肉体がぶつかり合う、真剣勝負は素晴らしい。二横綱の途中休場にもかかわらず、いや、それ故か遠藤、炎鵬、北勝富士、正代などが、さらに出遅れた朝乃山も頑張っている
 これは近頃はまっている飯嶋和一の著作の一つ『雷電本紀』の出番だと思った。江戸後期、寛政から文化の時代、谷風や小野川とともに、江戸相撲の人気を決定的なもので、相撲を現代まで持続させた「伝説の雷電」の物語である。
 ところが、劇的な徳勝龍の幕尻優勝が決まった日曜日、書店から「本が届きました」と知らせが入った。
 兵藤 釗先生の『戦後史を生きる―労働問題研究私史』である。実は、不勉強にも先生の名前は聞いたことがある程度。新聞の書評で「大河内一男先生の門下生、戦後の労働問題研究の現場、国鉄などに携わられた」との紹介であった。

 大河内先生といえば、全電通が公労委の一括賃金決定からの脱却、団体交渉権、自主決定権の実現のため、協力をお願いし「電気通信産業賃金研究会」の座長を引き受けていただいた。研究会には氏原先生、白井先生、高梨先生、神代先生、津田先生の6人に参加していただき、これが公社制度改革のステップの一つとなった。
 労働組合の最大の課題、現場の活動と団体交渉の充実、これを全電通で生き生きと機能させようとしていた時代の話である。
 それで兵藤先生は・・・こんな調子で、私の濫読は続いている。

退職者連合副会長 石原喜久

茶飲み話[113] 「戦後」ということ

 今年は戦後75年、被爆75年という節目の年である。日本の経済的発展をもって、「もう戦後は終わった」と言った首相がいた。戦前戦後の苦しい生活から抜け出したという意味で、「戦後は終わった」のかもしれない。

△1945年の敗戦から75年経った。誤った戦争の遂行により日本国民のみならず、アジアの国々にも大きな被害をもたらした。非人道的行為が行われた。戦争の悲惨さは言葉に尽くせず、二度と同じ過ちを繰り返えしてはならない。

△この反省に立って、平和主義、国際協調、主権在民、基本的人権の尊重などの理念を基本とした日本国憲法のもと、戦後労働運動の柱の一つに平和と民主主義が位置付けられた。

△米トランプ大統領は、アメリカファーストの名のもとに諸外国と対立を繰り返している。地球温暖化阻止のパリ協定に参加せず、国際協調を無視している。国際政治の場で、自分本位の行動を取り続け、毎日嘘をくり返し、発信している。嘘と民主主義は相入れない。嘘が世界に蔓延している。

△日本でも嘘が蔓延している。森友・加計問題、自衛隊の日報隠し問題、桜を見る会でも嘘と忖度が横行している。全て安倍首相が関わっている。忖度と情報隠し、権力の私物化が日本の政治、平和と民主主義を脅かしている。

△今年は、NPT(核不拡散条約)が発行して50年になる。今春、NPT再検討会議が国連で開催される。INF(中距離核戦力)全廃条約は昨年8月失効した。核戦争の危機が高まっている。

△こうした情勢の中、連合、原水禁、KAKKINは、核兵器廃絶と核兵器禁止条約の早期批准を求めて、1000万署名に取り組んでいる。必ず、成功させなくてはならない。退職者連合も150万筆を目標に取り組んでいる。

△昨年、天皇の代替わりがあった。平成から令和に元号が変わった。昭和、平成、令和と戦後75年、日本は戦争に参加せず、戦争によって日本人が命を落とすことはなかった。戦後、日本国憲法のもと、労働運動や市民活動により平和と民主主義を大事にしてきた帰結である。「戦後」とは、平和と民主主義と結びついた言葉であり、大変重みのある言葉である。戦後75年、被爆75年という節目の年にあたり、いつまでも平和な「戦後」が続くよう、大事にしたい。

退職者連合会長 人見一夫

茶飲み話[112] 幸せの定義(ネット時代を考える)

 「おっはよー!」学校に向かう小学生たちに、大きな声で送り出すのが私の朝の楽しみである。子どもたちも、「おばちゃん、おはようー!行ってきまーす」と、大きく手を振り学校に向かう。そんな子どもたちの姿が、ここ5~6年変わった。にっこと小さく笑い、「おはよう」とつぶやく。
 その変化が気になるのは私だけだろうか。
 11月中旬の月曜日に小学校3、4年生に「ネットとゲーム」について講演に行った。講演の冒頭、聞いてみた。「昨日、お家の人と一緒だった?」「1人で、お家にいたよ」ほとんどの子どもが、そう答えた。「お家の人と、お話ししないの?」「ずーと、お話ししてるよ」「夕べも、夜12時過ぎまでお話したよ」「一緒にいなかったんやろ。どうやってお話しするの」私の疑問に、子どもたちはいとも簡単に答えた。
 「ラインに、決まちゅうろう」不思議なことを聞くんやね。とばかり子どもたちは私を見つめた。親とは、会って話をするのではなく、ラインで話をしているからそれでいいというのだ。それが会話、コミュニケーションだという。
 私は、マザーテレサを思い出した。彼女が来日した1981年から、もうすぐ40年が経つ。「日本は、物があふれ裕福であるが、心は貧困である」そう言った彼女の言葉を思い出した。
 「核家族化が進んだ日本の家庭には子どもの部屋があり、部屋にはテレビがあり、あらゆるものがある。子どもたちは家族とではなく、その自分の部屋で家庭にいるほとんどの時間を過ごしている。家族とではなく、ひとりぼっちでいる日本の子どもたちは世界中でもっとも不幸せな子どもたちだ」と言っていたと、先輩の先生から聞いた。
 当時30代前半だった私は、学級経営と子育ての真っ最中だった。はっとして自分の周囲を改めて見つめ直してみた記憶がある。
 私の書斎の本棚の隅に「スポック博士の育児書」がある。40数年前に、最も優れている育児として日本ではすすめられていた。『時間で子どもを育てなさい。食事、昼寝、排便等の時間を決めて実行すること。添い寝はしない。抱き癖がつくとよくないので、抱かないほうがよい・・・』じっくり読んだことがないので、本当にそう書かれているかは定かではないが、まわりのお母さんたちと一緒に私も、その育児書にそった指導と支援を受けた。
 家族の多かったわが家では、育児指導にそった育児ができなくて悩んだこともあったが、母や父が大好きな孫をやさしく抱きしめて育ててくれたことに感謝している。なぜなら、子どもは親に見つめられて、語りかけられて、抱きしめられて育つ中で親に愛されていることを肌で感じ、自分を愛するようになるからである。
 『スポック博士の育児書』で育った子どもたちが、現在子育てに奮闘している。スマホを片手に持ち、ラインやゲームをしながら子どもを抱き、視線を合わさない親が増えているように感じているのは私だけだろうか。歩行器やベビーカーにスマホをつけて子どもを1人でおいている様子も見られる。『愛着障害』という言葉も聞かれるようになった。
 近年『子ども食堂』が、あちこちで開かれ、親が働いていてひとりぼっちで食事している子どもたちに団らんと栄養を提供している。『孤食』から子どもを守る取り組みが行われている。そこは、温かさとやさしさと共有できる素晴らしい場所だと思う。その一方で、最も深刻な『孤食』の子どもたちが増えていることを、私は危惧している。それは、家族と一緒にいての『孤独』である。
 ゲームや無料通信アプリに夢中になり、会話もコミュニケーションもない世界がそこにある。希薄な親子関係。愛着障害、心が壊れかけた子どもたちとおとな。
 2020年5月から、ゲーム依存(ネット依存)が病気として認定され、治療がはじまる。私は、もう一度マザーテレサを思い出した。もしかしたら、日本中の家族が不幸せかもしれない。
高知県退職者連合 副会長 山中千枝子[2019/12/4]

茶飲み話[111]

 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」―。人は学問や徳が深まるにつれ謙虚になるというのが本意で、小人物ほど尊大に振る舞うという反語も含意している。詠み人不詳の俳句ともいわれるが、座右の銘にしているご仁も多いようだ。しかし、この人にはこの言葉の本意は全く当たらない。安倍晋三総理大臣、その人である▼桜を見る会は、歴代総理大臣が「各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の労苦を慰労すること」を目的に毎年4月、新宿御苑で開催されてきた公式行事である。招待者は2012年頃までは、8000人から1万人。茶飲みっ子がその栄に浴した2006年、第3次小泉内閣の時も1万人ほどであった▼ところが、第2次安倍内閣の2013年から毎年1000人程度ずつ増え続け、本年は1万8000人。安倍総理は会の目的とは無関係に、自身の選挙区の支援者を850人もバスツアー参加させていた。その中には私人であるはずの昭恵夫人の招待者も・・・▼また、あの高級ホテルで行われた安倍後援会主催の前夜祭には、5000円会費で800人ほどが参加したという。一人当たり5000円で賄いきれたとは信じ難いが、後援会や事務所に収支はなく、「領収書を発行しておらず、受け取りもない」という▼今年は自民党関係者の招待枠6000人、総理枠1000人など。それとは別に、2016年からは改選期を迎える自民党参議院議員にも招待枠が与えられていた。結果、予算は毎年1766万円で変わらないのに、支出額は2014年の3005万円から今年は5518万円超と大きく膨らんでいる▼政府は招待者名簿などを「廃棄した」として詳細を明らかにしない。その構図は公文書の改ざんや廃棄が明るみに出た森友問題や加計問題などと同様、またもや「総理の嘘」と「政府高官の忖度」で、様々な疑惑を覆い隠そうと躍起である▼そんななか、安倍総理は11月20日、通算在職日数の歴代最長を更新した。それは、互いに小さな違いを強調し力合わせをせず、「実るほど頭もたげる総理かな」―、そんな尊大ぶりを許している弱小野党の「貢献の賜物」と言えよう。(良穂)[2019/11/25]

茶飲み話[110]

 「政治家に正直や清潔などという徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれと言うのに等しい」―。そんな「迷言」を残したのは、警視総監を経て参議院議員となり、1982年、第一次中曽根内閣で法務大臣を務めた故・秦野章氏である▼11月6日の衆議院予算委員会で、野党議員が「一週間に二人の閣僚辞任という重大な事態について、どのような責任を感じ、どのように責任を取ろうとしているか」と質した。安倍総理は、「私が任命した大臣が、わずか1カ月余りで相次いで辞任する事態となったことは、国民の皆さまに大変申し訳なく、その責任を痛感している」、「行政を前に進めていくことで責任を果たす」と答弁▼角度を変えて質問しても、責任の取り方には触れず、一つ覚えのように同じ答弁を繰り返すばかり。加えて、質問者が「加計学園」による獣医学部新設をめぐる問題で、文科省内で作成されたメモを取り上げ、「誰かが作ったもの」と内容の真偽を質していたところ、安倍総理が自席から「あなたが・・・」などと声を上げる始末である▼そんな総理の不規則発言に、「なぜ、私が作れるのか」と質問者が語気を強めて抗議すると、「誰か分からない中では誰だって可能性があり、あなただって、私だってとなる。そういう趣旨をつぶやいた」と、これまた次元の低い、意味不明な言葉で開き直っている▼これまでも、閣僚らの引責辞任や疑惑報道のたびに繰り返されてきた「もとより任命責任は総理大臣たる私にあり……」という言い回し。まさしくそれは、責任逃れのための常套句になっているようで、言葉の重みがどんどん軽くなり、甲高い声だけが空々しく聞こえてならない▼「行政を前に進めていくことで責任を果たす」と言いながら、国会で平然と嘘を言い、公文書の隠蔽・改ざんを行い、近親者への利益誘導を図り、議論に窮すれば捨て台詞を吐いて開き直る一国の総理大臣。厚顔無恥というか、知性も品性も感じられないその実像に、故・秦野章氏の言葉がやけに印象的である。(良穂)[2019/11/11]

茶飲み話[109]

 連合(日本労働組合総連合会)は、11月21日に結成30周年を迎える。1989年、官民統一による「連合」の誕生は、わが国労働組合の壮大な力合わせといわれ、「力と政策」による新しい労働運動のスタートとして、経済界や政界からも好感と期待を持って迎えられた。力と政策の運動とは「自らが政策を立案・提言」し、「実現させるための力を持った運動」ということであった▼いま、労働組合加入者は全国で1000万人強、推定組織率は17%程度で、かろうじて1000万人台に乗っている。そのうち連合の組合員は700万人弱で、1989年の結成時から100万人を超えて減少し、組織率も連合だけなら12%足らずでしかない▼労働組合加入者が1000万人を超えたのは、東京と大阪間に新幹線が開通し、東京オリンピックが開かれた1964年。その頃も組織率は漸減しつつあったが、それでも何とか30%半ばをキープしていた。しかし、それから25年後、連合が結成されるときには26%ほどに下落していた▼いまでは雇用労働者は約6000万人、1964年に比べて2000万人以上も増えている。産業・企業の拡大による雇用労働者の増大に労働組合の組織化がついて行けず、加えて、省力化投資や雇用形態の多様化が組織率の低下に拍車をかけてきた。「組織率は労働運動の力を測るバロメーター」といわれるが、その意味では、労働運動の力の下振れに歯止めがかからないのである▼連合の「政策・制度要求と提言」は微に入り細に入り、国の政策審議会などへの参加も拡大・定着している。しかし、残念ながらそうした活動の成果を実感することは難しい。外国人労働者に頼らざるを得ないほど深刻な人手不足でも雇用・労働条件改善の足取りは重く、日常の生活コストの上昇と公的年金の目減りで、かつては長きにわたって組合員だった高齢者の暮らしも日ごとに厳しさを増している▼政治が悪いと言ってしまえばそれまでだが、それを含めて連合が期待されるものは少なくない。結成30周年を機に、危機感をもって組織や運動のありようを見つめ直し、「力と政策」による体を張った運動、見える運動への踏み込みが必要だと思うのだが・・・。(良穂)[2019/10/28]

茶飲み話[108]

 9か月後に迫った東京オリンピックをめぐって、国内のオリンピック関係者が、またもめている。今月16日、国際オリンピック委員会(IOC)が、猛暑下での開催に懸念がある東京五輪のマラソンと競歩について、会場を札幌に変更すると伝えてきた。IOCは変更理由として、大会期間中の札幌の気温が東京より5~6度低いことを挙げている▼ドーハで開催された世界選手権で、暑さ対策としてマラソンと競歩を深夜スタートにした。それでも気温30度超、湿度70%以上の過酷な条件となった女子マラソンでは、出場者の4割超が途中棄権し、改めて東京五輪での暑さ対策の重要性が高まっていた▼そこでIOCのトーマス・バッハ会長と、東京五輪組織委員会の森喜朗会長が電話協議し、札幌への変更を決めたという。蚊帳の外に置かれた小池百合子東京都知事は「唐突な形で発表された。このような進め方は多くの課題を残す」などとする談話を発表し、徹底抗戦の構えのようだ▼東京都はすでに300億円をかけて、コースの遮熱舗装やミストシャワー設置などを行っているし、沿道の商店街などはレースの盛り上げ体制を準備している。マラソンのチケットは売り出され、都内中心にホテル予約をしている遠方からの観戦者も少なくない。そんな状況の中での「通告」だから、小池都知事にとっては怒り心頭だろう▼昨年8月23日付けの本欄は、要約次のような話題を供している。『54年前の東京オリンピックは10月10日から24日の開催であった。今回、なぜ酷暑の7月24日から8月9日になったのか。最も過酷なマラソンは女子が8月2日、男子は9日。一体誰のための、何のためのオリンピックなのか』―と。今回のドタバタは、そんな懸念を丁寧に解消せずに準備を進めてきた結果と言えるかもしれない▼それにつけても、東京開催に伴う費用は、当初の7000億円を大きく超えて3兆円に達するという。招致をめぐる賄賂疑惑も浮上している。オリンピックの崇高な理念を逸脱し、経済目的に堕した東京オリンピック。繰り返されるゴタゴタの裏には、JOC、五輪組織委員会、東京都それぞれの無責任体質と権益をめぐるおどろおどろしい人間模様が見え隠れする。(良穂)[2019/10/21]

茶飲み話[107]

 1972年6月29日付けの全繊新聞(現UAゼンセン新聞)の「わたしの提言」欄に次のような一文がある。6日に亡くなられた金田正一氏の寄稿文である▼『巨人の堀内クンに「カネさんておしゃれだなあ。いつもスカッとしている」と声をかけられた。「ほら、見て見ろヨ。シャツから靴下、靴まで同じ色で統一しているだろう」とワタシ。大いに自慢したものだった。ワタシが「おしゃれ」になったのは引退後からである。(中略)。現役時代のワタシは色彩音痴。黒の背広に茶の靴でも平気で街を歩いたものだ。それに野球をするときには便利なことにユニフォームがある。いや、当時は寝ても起きても、野球のことしか頭になかった。あの頃の写真を引っ張り出してみると、ケンのある顔をしている。勝負に骨身を削って暮らせばあんな顔になるのだろうか。(中略)。ともかく、おしゃれなんて考えたこともなかった。もちろん、ワタシはプロ野球で育ったことに誇りを持ち、また、感謝もしている。それどころか、野球解説をしていても、「あんなタマを投げるバカがいるか」と思ったり、左腕がウズいたりする日のなんと多いことか。だが、すべてはユメ。過去を振り返ってばかりいては人間おしまいだ。原稿を書いたり、テレビに出るのも結構、たのしい。(中略)。自分の顔に神経をとがらし、髪の毛の伸びぐあい、目の澄み方、背広はどれにするか、ネクタイピンとカフスボタンは同じでなくっちゃあ―と鏡の前で笑ってみたり、悲しい表情を作ったり。こんな顔、どうやったってカッコよくなりっこないのは知っていての努力だ。職業意識というものだ。人間、与えられた仕事に全力投球する。これがしあわせへの道じゃないか。おしゃれひとつにも意味はあるんです』―▼「茶飲みっ子」が氏と出会ったのは愛媛県に赴任中のこと。1969年12月に行われた衆議院選挙で、松山に応援に来てくれた氏の専属街宣マンとして一日半行動を共にした。前人未到の400勝投手の引退直後とあって押し寄せる群衆。氏はその中を、「茶飲みっ子」の肩をあの大きな体で包み込むようにして歩いてくれた▼その後「茶飲みっ子」は東京本部へ転勤、編集部配属となった。二年ほどたったある日、おずおずと原稿執筆を依頼したところ、氏は松山でのことを覚えていてくれて、二つ返事で引き受けてくれた。(良穂)[2019/10/9]

茶飲み話[106]

 東京地方裁判所は9月19日、福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で起訴されていた東京電力の旧経営陣3人に無罪判決を言い渡した▼福島第一原発は東日本大震災による巨大津波に見舞われ、原子炉3基がメルトダウン。このために47万人以上が避難を余儀なくされた。メルトダウンそのものによる死者は出なかったというが、入院していた施設から避難させられた入院患者40人以上が亡くなった。また、原発の水素爆発によって13人が負傷している▼争点となった、原発事故を引き起こすような巨大津波を予測できたかについて、裁判長は「予測できる可能性が全くなかったとは言いがたい。しかし、原発の運転を停止する義務を課すほど巨大な津波が来ると予測できる可能性があったとは認められない」と指摘▼そのうえで「当時の法令上の規制や国の審査は、絶対的な安全性の確保までを前提としておらず、3人が東京電力の取締役という責任を伴う立場にあったからといって刑事責任を負うことにはならない」として無罪とした▼1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故のあと、わが国の電力関係者や政府関係者は口をそろえて、「国内の原発はチェルノブイリのものとは構造も違うし、万全の安全対策が施されているので、あのような事故は起こりえない」と力説していた。しかし、事故は予期せぬときに予測できぬ形で起こるもの。「想定外」だからトップに責任が及ばないというのなら、企業の社会的責任とはいったい何だろう▼「無罪判決」を受けて実感させられるのは、日常生活の大部分を電気・電力に頼らざるを得なくなっている国民が、国のエネルギー政策のゆえに、電力会社に生殺与奪権を握られているということである。故郷を追われて8年余、いまなお帰りたくても帰れない避難民が3万2,000人。放射性物質を含む汚染水を保管するタンクは、3年後の2022年夏ごろには満杯になるというのに、その処理方法も決まらない。これが「安全・安心の国」の実像なのだ。(良穂)[2019/9/24]

茶飲み話[105]

 久々に「目から鱗」であった。『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之訳)である。ホモ・サピエンスが他の人類を根絶やしにして、地球の頂点に君臨できたのはなぜか。人類史のすべてを掘り起こし、その能力と性質のゆえに、これから人類がたどるであろう未来を予言している。下巻15章「科学と帝国の融合」の「征服の精神構造」の項には次のような逸話もある▼『1969年7月20日、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが月面に着陸した。この月探検までの数か月間、アポロ11号の宇宙飛行士たちは、アメリカ西部にある、環境が月に似た辺境の砂漠で訓練を受けた。その地域には、昔からいくつかのアメリカ先住民のコミュニティがあった▼ある日の訓練中、宇宙飛行士たちはアメリカ先住民の老人と出会った。老人は彼らに、ここで何をしているのか尋ねた。宇宙飛行士たちは、近々月探査の旅に出る探検隊だと答えた。それを聞いた老人はしばらく黙り込み、それから宇宙飛行士に向かって、お願いがあるのだが、と切り出した。「何でしょう?」と彼らは尋ねた▼「うん、私の部族の者は月には聖霊が棲むと信じている。私らからの大切なメッセージを伝えてもらえないだろうか」と老人は言った。「どんなメッセージですか?」。老人は部族の言葉で何かを言い、宇宙飛行士たちが正確に暗記するまで、何度も繰り返させた▼「どういう意味があるのですか?」。「ああ、それは言えないな。私らの部族と月の聖霊だけが知ることを許された秘密だから」。宇宙飛行士たちは基地に戻ると、その部族の言葉を話せる人を探しに探してついに見つけ出し、その秘密のメッセージを訳すよう頼んだ。暗記していた言葉を復唱すると、訳を頼まれた者は腹を抱えて笑い出した▼彼によれば、宇宙飛行士たちが間違えないように苦心して暗記した一節の意味は次のようなものだった。「この者たちの言うことを一言も信じてはいけません。あなた方の土地を盗むためにやってきたのです」―』。全人類史を俯瞰(ふかん)すれば、まさに的を射た、笑うに笑えない小話である。(良穂)[2019/9/16]

茶飲み話[104]

 倉廩(そうりん)実(み)ちて礼節を知り 衣食(いしょく)足(た)って栄辱(えいじょく)を知るー。管子(中国、春秋時代の斉の宰相・管仲の著と伝えられる書)にある言葉である。人間は生活が豊かになれば自然に道徳心も生じ、名誉を重んじ、恥を知るようになるという意味で、短く「衣食足りて礼節を知る」で知られている▼しかし古今、日本の政治家にはそんな言葉は当てはまらない。とりわけ与党・自民党の国会議員の中には「満ちれば満ちるほど、より一層恥も外聞もかなぐり捨て、より多くを求める強欲者」が少なくないようで、このほど厚生労働政務官を辞任した上野宏史衆議院議員(比例代表南関東ブロック)もその一人と言えよう▼ことの発端は「外国人労働者の受け入れ拡大」に伴って設けられた「技能実習の職種のあり方に関する検討チーム」のトップにあった氏が、外国人労働者の在留資格を巡って法務省に「口利き」し、見返りに人材派遣会社に1人あたり2万円の口利き料を求めていたと一部週刊誌に報じられたこと。それについて氏は疑惑を否定し、辞任は「政務官の立場にあることで誤解を招きかねないとの指摘もあって」などと釈明している▼しかしニュース報道では、「あっせん利得になる」と諫言する男性秘書に、氏は「だってこれ、うちがネオキャリア(人材派遣会社)からお金もらう案件でやってんだから」と応じ、秘書が13件の認定の可否を直接ネオキャリアの担当者に伝えると、氏は激昂。ネオキャリアから受け取るつもりだった26万円を秘書に払えと命じるなど、生々しいやりとりの音声テープが流されている▼自民党は、議員1人あたり1000人を目標にした党勢拡大を継続している。一般党員の党費は年額4000円、目標未達1人につき2000円のペナルティもある。そのため氏は幽霊党員を作り、「実効なき口利き」で人材派遣会社からせしめた金銭を、あわよくば党費やペナルティの費用に充てこんでいたのだろう。「倉廩実ちて礼節を知る」どころか、「貧(ひん)すれば貪(どん)する」を地で行くお粗末議員である。(良穂)[2019/9/2]

茶飲み話[103]

 読めば読むほど疑問が広がる解説書、国税庁が公開している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」である。消費税10%への引き上げによる低所得者の負担軽減策として、特定商品の税率を現行の8%に据え置く品目の範囲や線引きをQ&A方式で解説している。しかしそれは、昨今のライフスタイルや商品販売の実態などを体感・熟知しない机上の「怪説」で、続々と寄せられる指摘や質問に国税庁はつじつま合わせに四苦八苦しているようだ▼軽減税率の適用対象は、自・公両党が「国民の日常生活に欠かせない品目」として合意した「食料品」と「新聞」の2つ。しかし、食料品でも外食は「日常生活に欠かせない品目」とはみなされず10%。「新聞」は8%据え置きだが、日常生活に欠かせない「水道」は何故か10%。同じコンビニで購入する食品でも外で食べるのは8%で、店が設置した場所で食べる場合は10%となる▼ファーストフード店やコンビニでは、同じ商品を持ち帰ることも、店内で飲食することも可能だ。この場合、消費税率は「購入する人の意思表示で決まる」という。「店内で食べる」と言えば10%、「持ち帰る」と言えば8%。ならば、店内で食べるつもりでも「持ち帰る」と言えば8%でOKということに・・・?▼では、子供たちに人気の玩具付きお菓子や、贈答品に便利な飲食料品とそれ以外を組み合わせた「セット商品」などはどうか。国税庁の「Q&A」によれば「税抜き価格が1万円以下」かつ「価格に占める食品の割合が3分の2以上」であれば軽減税率が適用されるという▼これらはほんの一部だが、とにかくわかりにくい。間もなく消費税増税が実施されれば、スーパーやコンビニをはじめ、至る所で客も店側もこうした難題・珍問に振り回され、消費税がらみのトラブルも多発するだろう。「社会保障財源の確保」というそもそもの目的から外れ、「公平・中立・簡素」の基本を忘れた安倍政権による消費税増税。それを糊塗するが如き軽減税率の導入は、庶民の日常を戸惑わせ、「正直者がバカを見る税制」をさらに助長することになるだろう。(良穂)[2019/8/19]

茶飲み話[102]

 「類を以て集まる」という。「牛は牛連れ、馬は馬連れ」ともいう。気の合った同士や似た者同士が自然と集まることをいうが、あまり良い例として使われることは少ないようだ。先の参議院選挙で当選した「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表と、元行政改革担当大臣で無所属の渡辺喜美参議院議員が新会派「みんなの党」の立ち上げを発表した▼渡辺氏は栃木3区から連続6回も当選している自民党のベテラン議員だったが、麻生内閣との確執などから自民党を離党。2009年8月、民主党(当時)を離党した浅尾慶一郎衆議院議員や無所属の江田憲司衆議院議員らとともに「みんなの党」を立ち上げた▼しかし2014年に、自身の8億円もの借り入れ金に絡む使途不明疑惑が明るみに出て「みんなの党」を解散、12月の衆議院選挙には無所属で立候補し落選した。3年前の参議院選挙で「おおさか維新の会」公認で比例当選して以来、ほとんど忘れられた存在だったが、今回の選挙結果で図らずもの再登場となった▼「みんなの党」には、「戦争容認発言」などで維新の会を除名され、衆議院で糾弾決議を受けてもなお居座り続けている丸山穂高議員も入党するという。ほかにも石崎徹、細野豪志、柚木道義、松原仁、笠浩史、青山雅幸、中山成彬の各衆議院議員や、平山佐知子参議院議員など、良きにつけ悪しきにつけ何かと話題になっている御仁の入党が取りざたされている▼渡辺氏は、「立花さんから『会派を作りませんか』というお話をいただいて、『やり残したことがたくさんあるのでみんなの党を復活させたい』と申し上げたところ、快く受け止めていただいた。政党ではなく党員拘束はないので、それぞれの立場で意見を言い、議案に対しては独自の態度・決定を行っていく」とコメント(産経新聞)している。同床異夢の議員集団で一体何をしようというのか。それぞれの欲と得とが絡んだ「牛は牛連れ、馬は馬連れ」でなければいいのだが・・・。(良穂)[2019/8/1]

茶飲み話[101]

 「大山鳴動鼠一匹」(たいざんめいどうねずみいっぴき)。大山が鳴り響くので大噴火かと騒いでいると、ネズミが一匹飛び出しただけ。騒ぎが大きかったわりに結果は何もなかったという「ラテン語の諺」から作られたたとえである。事前の喧騒にもかかわらず、今回の参議院選挙も「大山鳴動鼠一匹」だったようだ▼自・公政権に反対する野党各党は、32ある一人区でギクシャクしながらも何とか共闘を成立させ、自民党の大物議員を打ち負かすなど10県で勝利した。しかし、22の選挙区で自民党の後塵を拝するなど、全体的には政権に打撃を与えるような戦果に繋げることはできなかった▼強大な与党に立ち向かう複数の弱小野党が、互いに違いを強調し、相争っていては勝てるはずがない。民主政治の基本である「政権交代可能な政治勢力の形成」をなおざりにして “ドングリの背比べ”を続けていたのでは、敵を利するばかりでなく、国民からも愛想づかしをくらうのは当然である▼「安倍政権には辟易しているが、野党がバラバラでは投票先が絞れない」「主導権争いしているだけの野党では頼りにならない」「投票に行っても何も変わらない」-。期間中、そんな声をたびたび耳にした。それがすべてではないにしても、総務省が発表した選挙区の投票率は48.80%。国政選挙の投票率が5割を切るのは戦後2回目で、1995年の参院選の44.52%に次ぐ低さだったという▼また、今回の選挙は「政治分野における男女共同参画推進法」が昨年5月に成立して以降、初の大規模国政選挙でもあり、その動向が注目された。結局、女性の当選者は選挙区18人、比例代表10人の計28人で、前回2016年と同数だった。主な政党別では、自民党10人、立憲民主党6人、共産党3人、公明党2人、国民民主党1人などで、全当選者124人の22.6%。法律はできたが、目に見える成果に繋げるにはまだまだ時間がかかりそうだ。(良穂)[2019/7/23]

茶飲み話[100]

 金融庁が6月3日に発表した「『高齢社会における資産形成・管理』報告書」の内容を巡って、あちこちから批判と戸惑いの声が上がっている。人生100年時代に向け、長い老後を暮らすための資産をどのようにして確保するかという問題などについてまとめられたものである▼働き盛りの現役期、定年退職前後、高齢期の3つの時期ごとに、資産形成のための心構えが示されている。それによれば、「公的年金の水準については中長期的に実質的な低下が見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれる」としている▼その上で、具体的な内容にも触れ、年金だけが収入の無職高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の場合、家計収支は平均で毎月約5万円の赤字。蓄えを取り崩しながら20~30年生きるとすれば、現状でも1,300万円~2,000万円が必要になるとしている▼そのため、現役期は「少額からでも資産形成の行動を起こす時期」とし、生活資金を預貯金で確保しつつ、長期・分散・積み立て投資が必要だというのである。政府が「人生100年時代」をうたう半面、公的年金だけでは生活を維持することが困難だと言及したことについて、野党は「アベノミクスの失敗を国民につけ回すものだ」と猛反発し、国会での追及とともに夏の参議院選挙の「攻め道具」にすると息巻いている▼こうした批判に対して、麻生副総理兼財務大臣は6月7日、「一定の前提で出した単純な試算。あたかも赤字なのではないかと表現したのは不適切だった」と述べ、菅官房長官も「誤解や不安を招く表現だ。公的年金こそが老後の生活設計の柱だ」と釈明に追われている▼そうは言われても、政府に上から目線で「長生きしたいのなら2,000万円準備しろ」と決め付けられた多くの国民。とりわけ資産形成に間に合わない高齢者は、どうしたらいいのだろうか。戸惑いが広がるばかりである。(良穂)[2019/6/10]

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