昨年10月25日から高齢者や低所得者向けに民間の空き家や空き部屋を賃貸住宅として活用する制度がスタートしました。4月に成立した「改正住宅セーフティネット法」(国土交通省)にもとづく制度です。
 退職者連合は、2014年から「低所得高齢単身女性問題に関する政策・制度要求」として居住の継続が困難な状態にある低所得高齢者とりわけ低所得高齢単身女性に対し、一定の質が担保された住居の確保など、国・地方自治体に対し、その実現を強く求めてきたものです。

実施状況はネットの専用ペ-ジで検索を

 改正法のポイントは、空き家などの所有者が高齢者や低所得者などの入居を拒まない物件を自治体に登録し、住居を希望する人が、それらの物件を国がインターネット上に開設した専用ページ「住宅セーフティネット」で検索できるようにしていることです。
 活用方法では、高齢者の生活支援などを行っているNPO法人などを自治体が「居住支援法人」に指定し、住宅情報の提供や見守りサービスの紹介、家賃の債務保証などの支援を実施。また、登録住宅として活用される空き家には、耐震改修やバリアフリーなどを行う場合、1戸当たり最大200万円の助成金が支給されます。
 さらに制度を利用して住宅を決めた低所得者(月収15万8千円以下)には、月額最大4万円の家賃補助や、契約の際に必要な家賃の債務保証料を最大6万円まで助成する、というものです。

京都府のセーフティネット住宅

京都府のセーフティネット住宅

 

静岡県のセーフティネット住宅

静岡県のセーフティネット住宅

「家主の6割が入居を拒否」という現実

 低所得高齢者の住居の確保問題は、深刻です。2015年には593万世帯であった65歳以上の単身者世帯が、2035年には762万世帯に増加するといわれています。しかも現在、160万を超える生活保護受給世帯の約5割が借家住まいです。それに対して貸し手である家主の側の6割が低所得者の入居に拒否感をもっているという調査結果があります。

実効ある制度にする取り組みが求められる

 制度はスタートしたばかりです。自治体の積極的なPR活動など、退職者連合として今後実施する自治体要請の中で制度を実効あるものにする取り組みを行なっていく必要があります。
 なお、全国の自治体の実施状況は、インターネット上に開設した専用ページ「住宅セーフティネット」で検索してください。

(参考資料)「退職者連合の要求内容」
(1)国・地方自治体は、居住の継続が困難な状態にある低所得高齢者、とりわけ低所得高齢単身女性に対し、一定の質が担保された住居の確保と速やかな入居・転居を図ること。
(2)国・地方自治体は個人情報に配慮し、常に低所得高齢者の住居の種別実態ならびに暮らしの状況把握を行ない、低所得高齢者、低所得高齢単身女性が安心して暮らせる住環境の整備をはかること。